第4回 社会人出身の2014年『新人王』候補は誰だ?2014年07月19日

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パ・リーグ
ロッテ・石川歩の打たれ強さとソフトバンク森唯斗の出色の腕の振り

石川歩(東京ガス-ロッテ)

 毎年、目立った活躍をしている社会人組は7人くらい。ここに挙げた「戦力になっている選手」は12人だから、例年の倍近いことになる。ここからは「新人王候補」という物差しで、今年の選手を紹介していこう。

 パ・リーグの社会人出身選手では、千葉ロッテの石川が新人王に最も近いところにいる。140キロ台中盤のストレートにシンカー、カーブを交えた緩急の使い分けに特徴があり、プロ2戦目の日本ハム戦では早くも1失点完投勝利を挙げている。
 次戦の東北楽天戦で敗戦投手になり、次の福岡ソフトバンク戦に勝ってという具合に、勝ち負けが交互にくるきらいがある。

 6/30現在、14試合、86回を投げ、90安打を打たれているように絶対的な存在でないことは確かだが、連敗が少ない(1回だけ)、打たれてもそれが致命傷にならない、というのは社会人出身特有の精神力の強さと言っていい。

 石川を追いかけるのは北海道日本ハムの浦野である。負けるときはあっさり早い回でノックアウト、勝つときは相手チームが手も足も出ない、というのは社会人時代から耳にする浦野の特徴である。プロに入ってもその傾向は変っていない。

 プロ初登板した4月5日の千葉ロッテ戦は勝ち負けこそつかなかったが、6回投げて被安打1、奪三振7という見事なピッチング。2勝目を挙げた4月30日の西武戦は7回3分の1を投げて被安打4、奪三振8、失点1と完璧に近かった。そうかと思うと、初黒星を喫した6月12日の巨人戦からは降板イニングが5回、3回、3回途中とノックアウト状態。体調管理が今後の課題になる。
 オリックス・ドラフト1位の吉田一は4月に2勝して前途に期待を持たせたが、5月4日の敗戦以降、一軍での登板がない。チームが好調なので、社会人出身でも2年目以降の大成に期待しようという考えなのか。6/25に行われたファームの阪神戦ではストレートが最速145キロを計測、以前のコントロールと緩急でかわすだけのピッチングにボールの強さが加わり、一軍復帰近しを思わせた。
 同じくオリックス2位の東明のほうは依然として一軍に踏みとどまっている。5試合に登板した交流戦の防御率2.91に対して、パ・リーグ各球団相手のリーグ戦ではすべてリリーフで9試合に登板して防御率が5.54。早いカウントから思い切り振ってくるパの強打者に対する攻め方が課題になる。

 リリーフでは福岡ソフトバンクの森が目立たない中で見事なピッチングを展開している。5月11日の初登板以来17試合に登板し、勝ち負けこそないが、失点したのは3試合だけ。東明とは反対にリーグ戦で防御率0点と完璧なピッチングをしているので、中盤戦以降も期待ができる。
 森のいいところは社会人時代から腕が振れるところだ。手前味噌だが、まったく無名だった森を昨年の本サイト内のコラム『ドラフト候補 分析レポート』では「白熱したゲームで見つけた逸材・森唯斗!」のタイトルで絶賛した。
「腕をビュンビュン振って力強いストレートを投げ込んでくるのだ。さらに112、3キロのカーブ、124、5キロのスライダーを投げるときもビュンビュン腕を振ってくる。(中略)こんなにいい選手がいることをまったく知らなかった」
 ここで書いた『腕が振れる』よさは、プロに入ってからも持続している。アマチュア時代と同じことができるというだけでも高く評価していいと思う。

 同じように腕が振れるということで評価した西武・豊田も健闘している。森は負けゲームの登板から勝ちゲームの登板へとステップアップしているが、豊田は依然として負けゲームでのリリーフが続いている。昨年の都市対抗で見せた腕の振りを再現することが勝利の方程式にのし上がるための近道である。

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