連載企画 Human 梶原康司選手(パナソニック)挑戦

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第10回 黒獅子旗への挑戦2013年11月09日

 2013年夏。パナソニック野球部は3年連続48回目となる都市対抗野球大会出場を果たした。梶原は4番ファーストとして全試合に出場し、都市対抗本大会では打率5割をマーク。チームは1、2回戦を勝ち進み、初の優勝への期待が高まったが、準々決勝で新日鐵住金かずさマジックに逆転敗戦を喫し、本年度の黒獅子旗への挑戦は終わりを告げた。

南本(ジェイプロジェクト)

パナソニック 梶原康司選手

 9月下旬、パナソニックの練習場へ足を運んだ。そこには、精力的に汗を流す、真っ黒に日焼けした梶原の姿があった。
 練習終了後、パナソニックの4番打者と約4か月ぶりに話をする機会に恵まれた。

「今年の都市対抗準々決勝は勝てていた試合でした…。ぼくのエラーをきっかけに試合の流れが相手にいってしまったので、ものすごく悔しい気持ちがありました…。今はもう都市対抗の借りを返すことしか考えられませんね」

 梶原は言う。「都市対抗の借りは都市対抗でしか返せないという気持ちがある」と。

「もちろん都市対抗の悔しさを日本選手権にぶつけるという気持ちはありますけど、やはり都市対抗でしか、都市対抗の借りは返せないんです。これはぼくだけでなく、みんなそう思っているんじゃないかなぁ」

 来年以降へ持ち越しとなった黒獅子旗への挑戦。梶原は「やれるところまで現役生活を続けたい」ときっぱりと口にした。

「体が果たしてどこまでついてくるかな、という懸念材料はありますけど、自分の中での現役生活の終わりはまだ全然見えていません。やれるところまではとことんやりたいという気持ちでいっぱいです」

南本(ジェイプロジェクト)

 「野球ができなくなるかもしれない」。そう覚悟した9年前の秋。自ら野球を手放すようなマネをする気は毛頭ない。

「プロを4年目にクビになっていなかったとしても、プロ野球選手として、この年まで現役を続けることは難しかったでしょうね。あのときに社会人の世界に飛び込んだからこそ、今も野球が出来ているんだと思う」

 プライベートでは09年に結婚し、現在は二児の父。恵まれた野球環境だけでなく、幸せな家庭も手に入れた。

「今、娘が4歳で息子が1歳になったばかり。昨日もちょっとおもちゃのバットを息子に持たせて遊んでたんですけど、右利きなのに、打つ時はぼく同様、左で構えるんですよ~!」

 そう言って笑う梶原の表情はまさに父親の顔そのもの。良きパパぶりが容易に想像できる。
 最後に、今後の目標を訊ねてみた。

「やはり、都市対抗優勝です。どうしても都市対抗で優勝したいんです。自分が選手でいる間に初優勝を実現させたいという気持ちでいっぱいです」


連載企画 Human 梶原康司選手(パナソニック)挑戦

 梶原は、少し照れつつも、その先の夢についても語ってくれた。

「現役を退いても、野球には携わっていたい。できれば指導者として、教える側になってみたいという夢が今はあります。昔の自分だったら、他人を指導する自信なんて全くなかったんですけど、社会人の世界での試行錯誤が指導者としての自信も植え付けてくれた気がします。長い期間野球を続けさせてもらい、いろいろと経験したことを指導者としてしっかりと伝え、恩返ししていきたい」

 充実した日々と明るい未来を連想させる、素敵なスマイルが目の前にあった。(完)

 (文・服部 健太郎)

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