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第1回 大会2日目を彩ったドラフト候補たち―石川歩(東京ガス)、橋本駿介(JFE西日本)2013年07月14日
【目次】
[1]美しい投球フォームが最大の武器/橋本駿介の走攻守に魅了された2時間44分
[2]無名の新人の走攻守に魅了された2時間44分
橋本駿介の走攻守に魅了された2時間44分
第2試合のHonda対JFE西日本では新たなスピードスターが誕生した。
JFE西日本の橋本 駿介(23歳・右翼手)だ。日本経済大卒2年目のこの選手のことはまったく知らず、打順も7番なので第1打席に立ったときはまったく注目せずに見ていた。それが左中間に長打を放ち、三塁に到達したときストップウォッチが「11.11秒」を示したのを見て、誰だ!この選手は!と思った。

1回戦を勝利した三菱重工名古屋
第2打席はチェンジアップをファールで逃げ続け、3ボール2ストライクからの129キロスライダーをおっつけてレフトフェンス直撃の二塁打を放ち、このときの二塁到達が7.91秒。さらに第3打席はやはり3ボール2ストライクから内角いっぱいの138キロストレートをインサイドアウトで振り抜いて中前打、このときの一塁到達が4.38秒と文句ない。
ベース寄りいっぱいに立って、1ボールのボールカウントではセーフティバントの構えでバッテリーを揺さぶる嫌らしさもある(第3打席)。なお、ホームランが出ればサイクル安打だった第4打席は無死一塁の場面だったこともあり、無情にも送りバントのサインが出された。しかし、これもきちっと転がして、それを確認してから全力疾走して一塁に到達したときのタイムは4秒ジャストだった。
2回裏に同点三塁打を放ったのち、9番友滝 健弘のタイムリーで逆転のホームを踏み、3回裏には5点目のタイムリー二塁打を放ったあと、やはり友滝の2ランホームランで6点目のホームを踏んでいる。強豪Hondaを退けた殊勲者と言っていいだろう。
なお、2日目までの4試合を見て東西の勢力図に変化が訪れようとしているのかなと思った。
JX‐ENEOS 3-2 NTT西日本
東京ガス3-1 四国銀行
JFE西日本7-3 Honda
三菱重工名古屋8―2新日鉄住金鹿島
昨年までは関東、とくに首都圏のチームが上位を独占していたが、今年は戦力の充実が著しい日本生命をはじめとする西日本勢が巻き返しをはかるのではないかと言われている。そういう前評判が「なるほど」と思わせる戦いぶりがここまで演じられている。
(文=小関 順二)