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第2回 大会3日目にドラフト1位候補2人が登場!セガサミー・浦野博司&JR東日本・吉田一将2013年07月15日
【目次】
[1]セガサミー・浦野博司 直球を封印し、徹底した変化球攻めを敢行!
[2]JR東日本・吉田一将 即戦力として圧倒的ナンバーワンのピッチング
JR東日本・吉田一将 即戦力として圧倒的ナンバーワンのピッチング

吉田一将投手(JR東日本)
高木に求めた理想的なピッチングを現実に見せてくれたのが第3試合に登場したJR東日本の先発、吉田一将(24歳・右投左打・191/90)だ。世間の注目は桐光学園の左腕、松井 裕樹に集まっているが、この投手を見ないで大騒ぎするのはよしてくれ、と言いたくなるほど抜群のピッチングを披露した。何がいいと言って、これほど難がなく美しいフォームで投げる投手は稀である。そして、美しいフォームとはこれほど打者を圧倒する武器になるのかと、改めて思い知らされた。
4回に王子の3番に内野安打を許したが、これがなければノーヒットノーランか完全試合はできたのではないかと思われるほど完璧なピッチングだった。ストレートは143キロが最速で大したことはないが、これが左右打者にかかわらず外角低めにピタリと決まる。そして外角低めのストライクゾーンとボールゾーンの間でボールを出し入れし、時折胸元をストレートでえぐって踏み込もうとする体を起こし、今度はスライダーをボールゾーンに逃がして空振りを誘う、あるいは外角低めいっぱいにストレートを投げ込んで立ち往生させるというシーンを何度も見た。
8回3分の2を投げて許した安打はわずかに2本、奪った三振は11個。11三振のうちスライダーの空振りが4個、ストレートの見逃しが3個と大半を占めた。持ち球にはチェンジアップとツーシームもあるようだが、ストレートとスライダーがあれば十分ではないかと思わされた。少ない球種でも四隅を使えるのでバリエーションが豊富で物足りなさはまったく感じない。即戦力ではこの吉田が圧倒的ナンバーワンと言っていいと思う。いいピッチングを見せてもらった。
(文=小関 順二)