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第5回 白熱したゲームで見つけた逸材・森唯斗!ドラフト候補・東明大貴の調子は?2013年07月18日
【目次】
[1]白熱したゲームで見つけた逸材・森唯斗
[2]ドラフト候補・東明大貴の成長に期待
白熱したゲームで見つけた逸材・森唯斗
第1試合のTDK対伯和ビクトリーズは1回戦屈指の走り合いになった。全力疾走の目安「打者走者の一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12.3秒未満」をクリアしたのは伯和ビクトリーズ6人8回、TDK 7人10回で、一塁到達5秒以上のタラタラ走りは両チーム合わせて1人1回だけ。これは見事な走塁と言っていい。

阿部正大投手(TDK)
一塁到達に有利な左打者が多いとタイムクリアも増えるが、スタメンの左打者は両チームとも4人と多くない。左右のバランスを取ったスタメンに留意しながら、これだけの全力疾走を実現しているのである。指導者の日頃の教育がどういうものか想像がつく。
個人技では伯和ビクトリーズに目が向いた。3番原口翔(24歳・一塁手・右投左打・182/81)、4番小原礼史(25歳・三塁手・右投右打・175/77)、5番松島圭祐(25歳・左翼手・右投左打・176/82)、9番上田颯人(23歳・中堅手・180/70)と強・好打者が並び、いずれも脚力を備えているのが頼もしい。
投手は両チームとも先発投手のデキがよかった。伯和ビクトリーズが8回以降リリーフを3人送ったのに対して、TDKは31歳の阿部正大が延長12回まで投げ抜いた。とくに見応えがあったのは7回の2死二塁の場面。阿部正大は上田颯人に対して5球すべてストレートを投げて空振りの三振に斬って取っている。チェンジアップ中心の組み立てが阿部正大の真骨頂で、上田の頭の中に全球ストレートという配球はなかったはず。野球は頭のゲームと言われるゆえんである。
こういう試合はドラフト云々でなく、純粋にゲームに集中すればいいのだと言い聞かせてはみるものの、1人くらいは熱い視線を送る選手がほしい。それが実現したのは延長10回表だった。
伯和ビクトリーズの3番手としてマウンドに立った森唯斗(21歳・右投右打・173/72、三菱自動車倉敷オーシャンズからの補強)の初球を見て声が出た。腕をビュンビュン振って力強いストレートを投げ込んでくるのだ。さらに112、3キロのカーブ、124、5キロのスライダーを投げるときもビュンビュン腕を振ってくる。
ストレートの最速は143キロ。抑制の利いた東京ドームのスピードガンでこれだけの数字が出れば十分である。130キロ前後のチェンジアップがあり、135、6キロで小さく変化しているのはカットボールのようである。こんなにいい選手がいることをまったく知らなかった。
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