連載企画 Human 杉浦正則(日本生命)

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第8回 社会人野球の魅力は、トーナメント方式で明日なき戦いをしていくところ2014年01月04日

 社会人野球の場合、リーグ戦の大会もあるのだが、もっとも重視されている都市対抗の本大会と日本選手権はトーナメント大会である。だから、当然のことながら負けたら終わりという状況の中で戦っていくことになる。そのプレッシャーもまた、すさまじいものがある。ことに、日本生命のように強豪チームと言われているところの方が、かえって「勝たなくてはいけない」という使命感が強く、そこがプレッシャーとなって跳ね返ってくることも多いという。

連載企画 Human 杉浦正則(日本生命)

日本生命保険相互会社 杉浦正則さん

 杉浦 正則自身も、それが社会人野球の魅力の一つであると感じながらも、当事者としては、それ相応のプレッシャーを感じながらの戦いとなっていたことも確かである。
「社会人野球には一発勝負の魅力があると思います。お互いに明日なき戦いをしているわけですから、明日の戦いをするためには今日の試合を勝たなくてはいけないわけです。自分たちで明日の戦いをする権利を勝ち取っていかなくてはいけないということです。だから、最後の最後まで諦めることはないんです。それが社会人野球の面白さではないかなとも思っているんです」

 社会人野球のトップ選手として、長い間、戦い続けてきた者の実感であり、そこには、高校野球とは違った魅力が存在する。
「社会人野球というのは、仕事もしつつ野球をするという、いわば大人の世界の野球なんですよね。その大人が試合では、なりふり構わずに戦う、それが都市対抗というか社会人野球の魅力といっていいのではないでしょうか」

 また、都市対抗の魅力として、地域文化を担っているという側面もある。かつて熊谷組が全盛期時代には、応援スタンドでは梯子乗りが披露されたり、Hondaが出場してきた時には狭山茶の茶摘み姿のおばさんたちの踊りも披露されるなど、その土地や企業にゆかりのある応援が展開されていく。 

 それもまた、選手たちの励みになるとともに、そうした中で背負っていくものの大きさを感じていくこともまた、“都市”対抗の代表として社会人野球選手のプライドにもつながっていくのである。

「社会人野球、とくに都市対抗というのは応援もその土地の特徴が出ていて、そこに都市対抗という意味があるのではないかとも思っています。どちらかというと、最近ちょっと郷土色というよりも、企業色が強くなってきたのかなというところもありますけども、応援も含めて都市対抗だなという気持ちはありますね」
 杉浦自身もそんな意識でプレーをし続けてきたのである。
 ただ、日本生命の場合は大阪市代表ではありながらも、大阪の匂いを出すかというと、それよりも洗練されているスマートな印象もある。また、休部や廃部、企業統合などでチームが少なくなったりしていることで、それぞれのカラーが出にくくなってきているという現実もあるのかもしれない。

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