ジェイプロジェクト

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

第2回 ジェイプロジェクト(愛知県名古屋市)2012年04月26日

左から上ノ内晃、松本浩一郎2

"辻本弘樹監督"

 球春真っ盛りという言葉は社会人野球においても例外ではない。3月の東京スポニチ大会を皮切りに、JABA(財団法人日本野球連盟)の冠が付いた公式大会が各地で開かれている。大きなニュースとしてピックアップされることは多くないが、〝永遠の野球小僧〝たちは寒暖の差が激しい春などはどこ吹く風で今日も白球を追い掛けているのだ。

 そのような中、気になるチームがあった。それは静岡大会(4月4日〜)と日立市長杯(4月12日〜)に出場したジェイプロジェクトである。
 「これが今の実力です。ただ、完封負けしていないし、ボロ負けがなかった。大きな収穫のあった2大会・6試合でした」(ジェイプロジェクト・辻本弘樹監督)

激戦・東海地区で着実にステップアップ

 ジェイプロジェクトは名古屋市を中心に居酒屋やレストランを展開している企業で、2009年に硬式野球部を設立した創部4年目という新しいチーム。高校や大学で全国大会を経験した選手も在籍しているが、まだ若いチームゆえにスター選手が集まっているとは言い難い。また、チームの環境は専用球場を所有しておらず、使用可能な球場を転々とする毎日。練習時間も9時〜13時前後しか確保出来ないというのが実情だ。そして、各部員は日々、居酒屋やレストランのスタッフ(接客や厨房内担当)として社業に従事。職種柄、深夜までの勤務は当然のようにあり、時には酔客の相手もしなければならない。それでも、現状の社会人野球で激戦区と呼ばれる東海地区の荒波に揉まれながら着実にステップアップ。昨年の都市対抗予選では代表決定戦トーナメントにもコマを進めて強豪チームを苦しめた。また、創部時から攻守の要であった庄司龍二捕手も昨秋のドラフトでオリックスから5位指名を受け、プロ野球の世界へ飛び込んでいる。

 前述した静岡大会日立市長杯はともに予選リーグ敗退という結果に終わり、残念ながら決勝トーナメント進出こそ果たせなかったものの、中日でプロ経験もある辻本弘樹監督が語るように完封負けは1試合もなく、特筆すべきは静岡大会でヤマハ日本通運といった全国大会常連の強豪チームに競り勝っていること。バックネット裏に陣取る他チームのデータ班も「ジェイプロジェクトは侮れない」と、口を揃える程であった。だが、辻本監督は冷静に語る。

このページのトップへ


【次のページ】 ジェイプロジェクト(愛知県名古屋市)(2)


【関連記事】
第4回 2013年 注目のチーム紹介『 ジェイプロジェクト』 (愛知県名古屋市)【チーム訪問】
ジェイプロジェクト(名古屋市)vsJX-ENEOS(横浜市)【第83回都市対抗野球大会】