第4回 2013年 注目のチーム紹介『 ジェイプロジェクト』 (愛知県名古屋市)2013年05月09日

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【目次】
[1]創部4年目で初めて伝えた“優勝”への思い
[2]しんどいことも続けていれば、何かが起こる

しんどいことも続けていれば、何かが起こる


 この年の春のキャンプから、チームの合言葉が決まった。

『ネバネバネバーギブアップ』

 今までは、あと一歩で諦めるプレーが試合では目立っていたが、そこを諦めない姿勢をみせることで、次の道が拓けてくる。このマインドを持って、2012年度のジェイプロジェクトは始動した。
 春のキャンプは和歌山県の串本町総合運動公園で10日間、行われた。午前8時から夜22時までの丸一日、徹底的に追い込んだ。練習後も選手たちは、22時15分には布団の中に入っていたというほど、野球漬けの日々を送った。
 全員がチームで定めた目標に向けて、本気だった。また、どんな環境であっても、野球が出来ることに喜びも感じていた。だからこそ、彼らは着実に、強くなっていったのだ。

 5月からの都市対抗予選では、初戦のヤマハに1対0で競り勝ち、予選初勝利を挙げると、そこから一気に波に乗っていった。辻本監督はこう振り返る。

(左)副将・石川祐太選手、(右)主将・藤川圭市選手

「リーグ戦の結果が、トーナメントを大きく左右すると思っていました。リーグ戦では1勝2敗でしたが、敗れた試合も全てロースコアの1点差。負け方が良かったんです。相手に大量得点を許さず、粘った結果です。この自信がトーナメントに入っても、力となって勝ち上がっていくことが出来ました。我々にいい風が吹いていました」

 ジェイプロジェクトは、リーグ戦を2位で通過すると、トーナメントでも、西濃運輸に3対1で勝利。第4代表 代表決定戦では三菱重工名古屋を1対0で下し、見事、初めての都市対抗出場を決めたのだ。

「やれば出来るんです。諦めずに野球に取り組み続ければ、都市対抗にも行ける。しんどい時もある。それでも続けていれば、何かが起こる。それを選手たちは身を持って経験できたと思います。
夜、『いらっしゃいませ』と言って接客をする選手、厨房に入って料理を作っている選手。それでも朝がくれば、グラウンドに立っている。この生活は、自分が自分に諦めていたら、決して出来ないことですよね。また、野球が好きだから続けられる。うちのチームには、練習をやらされているやつが一人もいないんです。みんなが、野球が出来ることがありがたいと思ってここにいるんですよ」(辻本監督)

 今年、入社3年目となる藤川圭市主将も、こう語る。
「僕も入社した初めの2か月半は辛かったです。でも徐々に身体がその生活に乗り越えてこられるようになるんですよね。『遅くまで仕事があるから』というのは、ただの言い訳。僕たちは、勝つことだけを目標にやっています。都市対抗出場は絶対条件だって思っていますよ」

 もちろん、彼らが目指しているのは、“都市対抗優勝”である。やれば、出来る。
 ネバネバネバーギブアップの精神で、今年も創部5年目のジェイプロジェクトが旋風を巻き起こす。

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