第2回 高知球場ナイター設備完成記念試合 四国銀行vs高知FD2012年03月23日

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4回裏高知FD・曽我が満塁アーチを放つ

4回裏高知FD・曽我が満塁アーチを放つ

 まだシーズン序盤とはえいえ、高知県のトップを決する戦い。もちろん、両チームのメンバーもガチンコであった。これまで高知ファイティングドックスとの交流戦で無敗の四国銀行は、高知商→同志社大を経て昨年まで12年間、四国銀行のエースを張り続けてきた東出康成の引退後、町田明謙監督が柱と考える左腕・小野哲平(高松商高→日本体育大・6年目)、右腕・岸本将宏(観音寺一高→神戸学院大・3年目)、亀岡洋介(松山商高→松山大・6年目)がそろって登板。
 一方「今回は勝つことを強く意識させた」(定岡智秋監督)高知ファイティングドックスも、先発・山中智貴(伊野商高→ツネイシ・24歳)を先発に主力級5投手のリレーで応戦。よって特に序盤3イニングは静かな立ち上がりとなった。

 その均衡が一気に破れたのが4回裏。高知ファイティングドックスはこの回からマウンドに上がった岸本に対し、相手守備の乱れや新加入の9番・根津和希(山梨学院高→WIEN’94→信濃グランセローズ・23歳)の巧みなバント安打などで2死満塁の絶好機を作ると、デイビスカウンティー高→ノースウエストフロリダ州立大という異色の経歴を持つ3番・曽我翔太朗(23歳)が「1本狙っていた」初球のストレートをレフトスタンドへ。「完全アメリカ産」曽我のド派手な先制グランドスラムは、同時に高知市野球場初のナイターアーチとなったのである。

 しかし、このままでは終われない四国銀行は以降、徐々に反撃を開始。5回表に2番手・吉木裕二郎(南筑高→沖データコンピュータ教育学院→梅田学園・25歳)から2番・谷村一将が主将の意地を見せる適時打を放つと、8回には併殺崩れと敵失で2得点。
 「現状の課題が出てしまった」と選手専任としてはチーム最年長の32歳・尾﨑健一郎(中村高校西土佐分校→第一経済大・11年目)は試合後に悔しさを露にしたが、球場特別ルールにより21時30分以降新しいイニングに入れない制限がある中、21時9分までの粘りを見せた点にかんしては一定の評価を与えるべきであろう。

 しかし勝敗うんぬんよりも、この日の試合で最も印象的だったのは、2,700人が詰め掛けたスタジアムの熱気である。入場料は無料。土佐の「おきゃく(土佐弁で「宴会」の意味)」公式イベントの一環として開催されたこともあってか、観客のアルコール濃度は多少高め。それでも、内野1,500ルクス、外野800ルクスと他の地方球場と同レベルの明るさに照らされたグラウンドに向かって声援を送り、いずれも待望のナイター観戦が果たせた喜びに満ちていた。

 今後も高知市野球場では県軟式野球連盟主催による「よさ恋ナイター」や高知ファイティングドックスの主催試合、さらに5月29日(火)・30日(水)にはオリックス対中日ドラゴンズのウェスタンリーグ2連戦もナイターにて開催予定。高知県の野球地図を塗り替えたナイター設備が、「野球どころ」高知にどんな化学変化を与えていくのか?その先にカクテル光線の照度を上回るような明るい未来が待っていることを期待したい。

(文=寺下 友徳)

四国銀行 000 010 020=3
高知ファイティングドッグス 000 400 00X=4
(高知県野球場)

【バッテリー】
四国銀行:小野哲平、岸本将宏、亀岡洋介-尾﨑健一郎
高知ファイティングドッグス:山中智貴、吉木裕二郎、吉川岳、山﨑慎一郎、井川博文-屋宜宣一郎
【本塁打】曽我翔太朗(高)※4回裏満塁


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