捕手の眼で第83回都市対抗決勝戦を振り返る

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第5回 【JR東日本 vs JX-ENEOS】捕手の眼で第83回都市対抗決勝戦を振り返る2012年11月13日

 2012年、第38回日本選手権大会の決勝戦のカード「JR東日本vsJX-ENEOS」は、今夏の第83回都市対抗野球大会決勝戦と同カードとなった。
 都市対抗では、10回目の優勝を狙うJX-ENEOSと2連覇を狙うJR東日本の対決は5対3でJX-ENEOSが制した。試合序盤・中盤・終盤で試合が動く試合展開に。
 今回は、あの都市対抗の決勝戦をJX-ENEOSの正捕手・山岡剛選手、JR東日本の正捕手・石川修平選手にあの紙一重だった試合を捕手の視点から振り返ってもらった。

第83回都市対抗野球大会 特設応援サイト(社会人野球ドットコム)

【目次】
[1]鶴田の好投で流れを変える
[2]狙い通りの試合展開
[3]冷静なリード


鶴田の好投で流れを変える

▲JX-ENEOS 鶴田祥平選手

第83回都市対抗野球大会 決勝戦2012年7月24日
JR東日本 102 000 000=3
JX-ENEOS 100 004 01X=6
(東京ドーム)

【バッテリー】
JR東日本:吉田、片山、金-石川
JX-ENEOS:三上、鶴田、大城、北原-山岡
【二塁打】
都築、松本(JR東)白井、井領(JX)
【本塁打】
山岡(JX)

 JX-ENEOSの先発は三上 朋也、JR東日本は吉田一将とルーキー同士の先発となった。
 1回表、JR東日本は1番都築がセンターの横を抜ける二塁打で無死二塁のチャンスを作る。二死に打ち取って、二死二塁から4番松本 晃がスライダーを流し打って右前適時打で1点を先制する。 JX-ENEOSの山岡は1点を取られた三上に対しこう声をかけた。

「まだ序盤だから、点数を取られても最少失点で乗り切っていこう」

 1回裏、JX-ENEOSは、二死二塁から池辺啓二の右前適時打で同点に追いつく。石川修平は同点に追い付かれていたことは冷静に受け止めていた。初回の配球の意図をこう話す。

「相手打線が良いというのはオープン戦でやってきて分かっていたことだったので、先発の吉田がどれだけ放れるか。いろいろな球を投げて、相手の反応を探りながら、配球を組み立てました」

 ルーキー同士の対決。内容は対照的であった。三上は2回表こそ抑えたものの、3回には一死満塁のチャンスを作り、3番石岡が外角に落ちるチェンジアップを打ち返し、右前2点適時打で2点を追加。3対1とリードする。
 この場面、山岡は強力打線・JR東日本の中で、特に3番石岡、4番松本 晃を警戒していた。第1打席に石岡にはチェンジアップでタイミングを崩して打ち取る配球であったが、この第2打席は石岡が上手くあわせた。これには山岡も「上手く合わせられましたね」とコメント。
 吉田はこれが5試合目の登板となるが、連投を感じさせない力投だった。右スリークォーターから常時140キロ中盤の威力あるストレートがコーナーにしっかりと決まり、スコアボードに0を並べていく。

 JX-ENEOS側は三上を諦め、4回から補強選手の鶴田祥平が登板。山岡は、JR東日本打線を鶴田が抑えてくれるという予感があったという。


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