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第24回 セガサミー 横田 哲投手 【前編】2014年11月25日
【目次】
[1]右利きの左投げ
[2]野球から離れて湧き上がった思い
[3]大学4年の春に訪れた転機
大学4年の春に訪れた転機

大学選手権で力投を見せる横田投手
野球で左投げになるきっかけが“叔父のグローブ”だったとするなら、左投げ投手として急成長を遂げたのは上武大時代だ。
「大学2年の時はストレートも145キロまで出て、スライダーとの組み合わせで通用していました。でも一方で長いイニングを投げられませんでした。コントロールも良くなく、好不調の波も激しくて。信用を勝ち取れないからリーグ戦のメンバーにも入る時と入らない時がある。そんなピッチャーでした。だからどうにかしようと」
試行錯誤が必ずしもプラスに働かない場合もある。大学3年時にはフォームを変えようとして逆にそれまでの投げ方を見失い、ストレートの球速は140キロに満たないまで落ちた。
「大きく変わったのは大学4年の春先です。社会人や上に進む希望もありましたが、その時点でどこからも誘いはきていなかった。自分でもそうだろうな、とは納得していて、ラストシーズンぐらいはがんばろうと。ストレートの球速が落ちたこともあり、それまでの本格派から軟投派へ志向を変えたんです。まっすぐにこだわらず、信頼できる変化球を作ってコントロールをつけよう、と」
「信頼できる変化球」。それは横田投手の場合、チェンジアップだった。これが今でも得意球であり、最大の武器になっている。
「それまでスライダー、カーブはある程度投げられていました。大学3年からチェンジアップも投げ始めましたが、そこまで自分の中で信用できる球種ではなかったんです。
チェンジアップに注目したのはピッチングに緩急をつけることで、投球の幅が広がるからです。打たせてとることができる。そうすればピッチングも安定し、長いイニングを投げることもできます」
大学4年春のキャンプで、覚悟の投げ込みを行った。ブルペンで400球、そのほとんどがチェンジアップ。
「今考えればバカでしたね」と振り返るほど、ムチャな投げ込み。しかしケガのリスクを忘れるほど没頭し、チェンジアップの感覚をものにした。
「最初はふつうにOKボールの握りで投げていましたが制球が定まらない。そこからはYouTubeをはじめとしてネットで握りかたを研究しました。あとは投げて感覚をつかみました。
結果、投球の幅が大きく広がりました。チェンジアップはカウント球にも決め球にも使える。すると気持ちに余裕が出てきます。
もともとの持ち球であるスライダー、カーブもより生きてくる。左右、上下、前後と投球の幅がすべてそろうことで、バッターも迷いますから。当然、チェンジアップを狙ってくるバッターも現れます。でも打席の雰囲気やスタンスから狙っているのがわかるんです。そういう場合は内角にストレートを一球投げてからとか、主導権を握れるようになりました」
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後編では、横田選手のテクニカルについてたっぷりと伺いました!お楽しみに!
(インタビュー・伊藤 亮)