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第28回 JR東日本 東條 大樹投手 「中継ぎのスペシャリストを目指して」2015年10月22日

[1]館山 昌平(東京ヤクルトスワローズ)に憧れ、サイドの実力者に
[2]肘の故障を乗り越え復活した大学ラストイヤー / 強みを活かし、武器を加えた社会人での2年間
[3]さらなる高み追及し真の「中継ぎエース」へ
肘の故障を乗り越え復活した大学ラストイヤー

東條 大樹投手(JR東日本)
事態は暗転する。東條は大学2年に右ひじを故障。半年間も投げられない苦痛に耐え切れず、一時は野球をやめようとも思った。ただ、そんな東條を救ったのは今の青山学院大の監督である善波 厚司コーチである。
「諦めるなよ」。これが東條の気持ちを持ち直させた。治療し、練習を重ね、さらに自分の投球を見つめ直し、ネット裏から試合を見て多くの投手の投球を観察する日々。そこで「制球力」の重要性を再認識した東條は復帰後、制球力に磨きをかけていった。
そして4年春(2013年)の一部リーグ。4月9日の亜細亜大戦で東條は5シーズンぶりに先発として復帰登板を果たす。結果は1回3分の1を投げて自責点3と黒星スタートとなったが、その後は先発・中継ぎとして登板を重ね、5月22日の専修大戦では2番手として4回3分の2を投げて無失点の好投で待望の復帰初勝利。その後も5月23日の専修大戦でも6回から3番手として登板し4回1失点の好投で2勝目。2勝2敗と復活の手応えを掴むと、大学ラストシーズンは「中継ぎエース」の本領を発揮する秋となった。
9月20日、駒澤大戦の4回途中から登板し、4回3分の2を投げて自責点0。その後もリリーフを中心に安定した投球を続けると、唯一先発登板した10月10日の中央大戦では3安打で大学初完封。計7試合に登板し2勝0敗、30回3分の1を投げ防御率0.30。リーグ1位を手にする。「秋は納得いく投球ができた」東條は、名門・JR東日本に入社し、プロへの夢を追うことになった。
強みを活かし、武器を加えた社会人での2年間
2014年春、名門・JR東日本に入社した東條。そこには錚々たる人材が揃っていた。先輩には飯田 哲矢(広島東洋カープ)、坂寄 晴一(オリックス・バファローズ)。同期には日大三(西東京)高・明治大でもエース格として活躍し、さらに侍ジャパン大学代表にも選出された関谷 亮太(2014年インタビュー)。そんな中でもベンチ入りを果たすためにもどうすれば良いか?東條は改めてストロングポイントを考えた。
「自分は右サイド。横の角度をつけやすいので、その角度をうまく生かし、また自分は球の勢いがある方だと思うので、打者をねじ伏せる投球ができれば活躍できる」
その自己分析は正しかった。
都市対抗・東京都二次予選では計3試合に登板。6月3日の第2代表決定戦のセガサミー戦では10回途中から登板し、3回3分の2を投げて無失点に抑え勝ち星投手となり、都市対抗出場を手繰り寄せる活躍。第85回都市対抗では7月24日のパナソニック戦で、6回途中から4番手で登板し回3分の2。7月26日のJX-ENEOS戦では1回3分の1を投げいずれも無失点。さらに第40回日本選手権では計3試合に登板し、4回3分の1を投げて自責点0。二大大会で防御率0.00と首脳陣から信頼を得る活躍を見せた。