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第28回 JR東日本 東條 大樹投手 「中継ぎのスペシャリストを目指して」2015年10月22日

[1]館山 昌平(東京ヤクルトスワローズ)に憧れ、サイドの実力者に
[2]肘の故障を乗り越え復活した大学ラストイヤー / 強みを活かし、武器を加えた社会人での2年間
[3]さらなる高み追及し真の「中継ぎエース」へ

東條 大樹投手(JR東日本)
勝負の2年目。東條は右サイド投手にとって宿命的な課題である「左打者への攻め」を克服すべく、新たな球種「チェンジアップ」を習得しにいく。「左打者の外角へ落とす」。シンカーを投げるイメージで練習を重ねた東條は見事にチェンジアップをマスターする。
6月1日の都市対抗東京都二次予選・NTT東日本戦で、登場のチェンジアップは冴えに冴えた。左打者が多く揃う相手打線に対し、5回裏途中から3番手で登板した東條は4回3分の1を投げて6奪三振。「最も思い通りの投球ができた」勢いのまま、東條は6月6日のセガサミーとの第3代表決定戦でも8回表から3番手で登板。2回無失点の好投を見せ、2年連続で都市対抗出場を決める歓喜の中心へ入っていった。
迎えた第86回都市対抗野球大会。三菱重工神戸・高砂戦では8回表から4番手として登板し、3回無失点。チームは無念の初戦敗退に終わったが、東條自身は都市対抗・日本選手権の2大大会では6試合10回3分の1でいまだ自責点0。プロ入りを目指すには十分すぎるアピールであった。
さらなる高み追及し真の「中継ぎエース」へ
そしてドラフトも目前に迫った10月。東條は10月31日に開幕する第41回日本選手権へ向けて着々と準備をしている。テーマは「打ち難さをさらに追求しながら、フォームのメリハリを付けること」と、「ベースに覆いかぶさる打者がいてもしっかりと投げ切ること」。これも上の世界を見据えてのことだ。
「自分は調子が悪いと投球動作のすべてがゆっくりしてしまう癖があり、それは指導者の方に指摘されています。そこに気を付けながら、投球練習をしていますね。そして自分は結構強気に攻めていくタイプですが、もしプロの世界で実現すれば外国人の打者へ対してもしっかりと投げ切れる勇気を持っていきたいですね」
その視線の先にもちろんあるのは「球威で押していきやすいので、僕には合っていると思う」中継ぎエースの座。「最多勝を獲得していますし、何度もケガをしても、くじけずにマウンドへ登る姿は尊敬している」館山 昌平のマインドはそのままに、追及を続ける東條 大樹は、サイドのそして中継ぎのスペシャリストとして、10月22日、球団の指名を待つ。
(インタビュー・河嶋 宗一)