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第12回 JX-ENEOS 大城基志 選手2012年09月10日
【目次】
[1]都市対抗を振り返る
[2]大城のフォームを分析する

大城のフォームを分析する

セットポジションから始動し、右足を真っすぐ上げて、左足は一本足で立ちます。この時に左腕をだらっと下げて、打者からボールを持った腕が見えません。少しずつ重心を深く沈めて着地します。前足はゆったりとした動作で着地していますが、腕を振り下げて、テークバックをして左肘を上げる動作が実に速くて、フォームで緩急を付けているのがワンテンポ遅れやすい要因と考えます。小さなテークバックのように見えますが、左肘はしっかりと上げる事が出来ており、胸郭を使って胸を張る事が出来ています。そこから上体を鋭く腕を振っていくため速球、変化球の見分けが付きづらいフォームになります。
今回、大城投手に投球フォームについて伺ったところ、打ちづらいフォームを追求してこのフォームになったのかという問いに対し、意外な答えが返ってきました。
――大城投手は、フォームを作り上げる上で何を大事にしていますか?
「大城」 一番は右足を上げた時の姿勢ですね。流れる癖があるんです。流れるとボールに力がしっかりと伝わらない。前傾せずに、しっかりと立てれば良い球が行くんですよね。自分の思い通りに投げられないのはフォームの過程が悪いのが原因と考えています。
足を上げた時の姿勢、着地する下半身と、体を回旋させる上半身のタイミング。それがハマればよい球が行くと思っています。手先が悪いとかではなくて、フォーム全体の過程が悪いと思い通りの球を投げる事が出来ていないと考えているので、フォームは右足を上げた時の姿勢、体重移動を重視して、考えていますね。
――大城投手のフォームは、腕の振りが本当に速くて、打者からすると速球と変化球の見分けが付きづらいように感じました。
「大城」 そうですね。自分は真っすぐの腕の振りで、変化球を投げたいと思っています。ストレートを待っていて、変化球ならば打ち取れるじゃないですか。でも変化球を投げる時に緩んでしまうと、変化球だと分かってしまうので、腕の振りは一緒のイメージで、スライダーやチェンジアップを投げる意識を持っています。
――フォームで打ち難さを追求しているのでしょうか?
「大城」 これは良く言われるのですが、僕が腕を隠していると言われるんですけど、そういうイメージはないんです。今のフォームは、高校の監督さんから後ろ小さく前大きく投げなさいと学んだのが原点です。たまにそれは間違っているという人がいるんですけど、僕のフォームの原点は高校時代ですから、フォームのメカニズム自体は直せないですね。このフォームが一番腕を振りやすい形でもありますし、ボールを隠していることを意識しているわけではないんです。
――なるほどですね。足上げのバランスから投げ終わるまでのすべてが揃って、打者から打ちづらいフォームやボールが実現出来るということですね。
「大城」 そうですね。そういうフォームは自分のボールを多く投げられるかがカギになると思いますね。打者からの打ちづらさを優先して投げているわけではなくて、自分の投げやすいフォームで投げています。それで打たれたらフォームも考えたりするんですけど、自分の投げやすいフォームと打者から打ちづらいフォームならばラッキーじゃないですか。
――最後に大城投手の今後の目標をお願いします。
「大城」 都市対抗2連覇です!次は補強選手はいないですし、本当に自分たちの力で勝ち取る大会になります。
投手としては悪くてもしっかり投げられる投手になりたいですね。今年は大事な試合はほとんど三上が投げていたので、大事な時には投げられる投手になります!
大城基志選手ありがとうがざいました。
今後も大城選手のピッチングに注目です!!

- 大城 基志
- 1987年8月20日、沖縄県出身
- ポジション:投手
- 宜野座高校-名桜大学-JX-ENEOS
- 2012年第83回都市対抗野球大会で史上初10度目の優勝を果たしたJX-ENEOS。その貢献度の高さから、大会MVPに値する「橋戸賞」を受賞。