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第11回 JR東日本 石川修平選手2012年08月14日

【目次】
[1]昨年からの成長/流れを読める捕手へ
[2]前捌きで打撃開花


前さばきの理論で打撃開花

▲今年都市対抗で首位打者賞を獲得

――それでは、続いて今年の都市対抗で首位打者を獲得した石川選手の打撃論について教えてください。この都市対抗で、自分の中で会心の打撃が出来たという試合はありましたか?

「石川」 JFE東日本戦の田面投手から打てたのは、自分の中では大きいですね。決勝では2安打を打ちましたが、とにかく勝つことに必死だったので、会心だった打席を振り返る余裕はなかったです。試合を通して、きつい展開だったので、なんとか出塁しようという気持ちだけでしたね。

――石川選手の打撃を見ていると、色々なタイプの投手やコースにも対応していて、バットもスムーズに出ているなと感じるのですが、普段の練習ではどんなことを意識されているのでしょうか?

「石川」 基本的にチャンスの場面は球種を絞って、ランナーがいなかったら思い切り行くスタンスですね。
 やっぱり社会人の投手はボールのキレが良いので、僕はバットが下から出る癖があるんですけど、練習から上から叩くではないですけど、低い打球を打つことを心掛けていています。

――石川選手は対応力の高さだけではなく、良い場面でホームランを打つなど、勝負強さと長打力もある選手の印象がありますが。

「石川」 監督に『二死ランナーなしだったら、シングルヒットを打っても次の打者が還れないぞ。三振かホームランのつもりで打席に立ってこい』と言われますね。そう言ってもらえると、自分の中では思い切りよく打撃が出来ます。

――とくに入社3年目の今年、ここまでの活躍が残した要因とは? 

「石川」 コーチの片岡(昭吾)さんが僕に気にかけてくれて、指導してくれるので、それがちょっとずつ結果が出るようになっている要因かなと思っています。片岡コーチの指導が自分の打撃スタイルを作り上げてのかなと思います。

「前をさばくというのは体が泳ぐイメージ」

――片岡コーチから具体的にどんなことを教えてもらったのでしょうか?

「石川」 僕は打つときに後ろの身体が残りすぎる癖があって、それを直す練習をして、“前さばき”で打つことを意識する練習をしていました。これまでは、後ろに身体が残りすぎて肩が上がった状態で打ちに行くので、バットが下から出てしまい、力のない打球を打っていたのですが、ポイントを前に置くことを意識し、構えからタイミングの取り方を一から変えていこうという話をしてもらって、自分の中で意識しているところで、それが一番のポイントかなと思っています。

  右足の軸で回転させようとすると、バットが下から出てしまう。そうではなく、前足を軸に回転させることを意識して打っていますね。構えは上体がいつも高いといわれていて、自分は低くしているつもりなんですけど、まだ高いといわれますね。

――“前さばき”の打撃の完成度を高めるためにどんなイメージで打席に入られていますか?

「石川」 前をさばくというのは体が泳ぐイメージですね。ビデオで見ると全然泳いでいないんですけど、僕は後ろに残りやすいので、体を泳ぐぐらいがちょうどいいという気持ちで打席に入っていますね。それぐらいの気持ちで矯正しないと変わらないので。

 僕はセンスがないと言われますし、僕自身、そういうタイプだと自覚しています。足も遅いですし、長距離もそうですし、筋力もなくて、なのでそれを埋めるために繰り返し練習をしていくタイプです。フォーム変えてすぐ打ててしまうセンスがある人がいるんですけど、僕はそうではないですので、投げることも、打つことも、期間を置いてやり続けて、やっとイメージが沸いて、はじめて自分の思い通りの結果、プレーが出来るようになっていると思います。

信頼されて勝てる捕手へ

「多く練習を積めば自分の生きる道が出来る」

――もし、石川選手と同じようにセンスがないという考える選手がいたとしたら、その選手に対してどのような考え方・姿勢を持てばもっと伸びるよと教えられますか?

「石川」 まず、下手なことを認めること。僕は甲子園も出ていないですし、大学に行っても周りは横浜中京大中京と名門校ばかりで、気後れすることはありました。だけど、技術やセンスとかは埋めようがないんです。でも下手でもやりようがあると思って、捕手は上手いに越したことはないですけど、他のポジションに比べて、打てなくても出られるポジションだと思っています。4番とか、エースにはなれないですけど、人がやっていない時に多く練習を積み重ねていけば、自分の生きる道が出来ると思います。

――最後に、今後の目標を教えてください。

「石川」 やはり捕手なので、勝って初めて評価されるポジションなので、選手をやめるまで『勝てる捕手』を追求していきたいと思います。首位打者を取りましたけど、個人タイトルは恐縮してしまうので、優勝したら石川がいたといわれるような捕手になりたいです。

 僕としては個人タイトルは投手のものだと思っているので、地方大会でも金や片山さんがMVPに選ばれることがあるんですけど、そういうのは嬉しいですね。これからも、信頼されて勝てる捕手を目指していきます!

石川修平選手ありがとうございました。
さらにレベルの高い捕手を目指す石川選手のプレーを注目し続けていきます!

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プロフィール

金城長靖
石川 修平
  • 1987年8月10日、栃木県出身
  • ポジション:捕手
  • 小山西高校-法政大学-JR東日本
  • 大学時代は4年春に大学選手権優勝を経験。社会人1年目からレギュラーを獲得し、2年目は都市対抗優勝を経験。3年目は準優勝と首位打者賞を獲得した。
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