選手名鑑

井納 翔一(NTT東日本)

井納 翔一

井納 翔一

所属チーム:
NTT東日本
所属都市:
東京都
球歴:
木更津総合,上武大学
ポジション:
投手
投打:
右/右
身長:
188cm
体重:
84kg
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  • 寸評
     層の厚いNTT東日本の投手陣の中でポテンシャルならばNO.1なのが井納 翔一だろう。188センチの長身から投じる最速150キロのストレートと多彩な変化球を投げ分ける投手はそうはいない。

     だが安定して力を発揮できなかったのか、首脳陣から信頼を得ていなかったのか。登板機会は少なく、ポテンシャルが高いといわれながらも遂に4年目を迎えてしまったのだ。社会人4年目といったらそのまま身を固めるか、最後の一年でプロ入りを目指す立場である。

     今年の井納は積極的に登板機会を与えられている。スポニチ大会、関東選抜リーグなどで登板機会を与えられ、主力投手で活躍した福井 和成の故障もあり、都市対抗予選では11イニングを投げて15奪三振。防御率1.64と戦力として活躍を見せた。この都市対抗が彼の野球人生を左右する大事な大会なのである。

    (投球内容)
    ストレート 147キロ
    常時140キロ~145キロ
    スライダー 125キロ~130キロ
    フォーク 130キロ前後
    ツーシーム 125キロ前後
    カーブ 110キロ前後
    速球のスピードは常時140キロ~145キロ前後を計測。力を入れればコンスタントに140キロ台を計時するスピード能力は今年のドラフト候補では上位に入る。スピードは申し分なしだ。ストレートのコントロールについてはある程度コーナーの投げ分けは出来ており、高低のコントロールもまずまず。速球が高めに浮きやすいのと、ストレートの回転数が高く、ストレートを打ち上げるフライピッチャー。ストレートの伸びが上回れば、空振りは奪えるが、抜けたストレートが高めに来てしまうと一発を喰らいやすい欠点があり、都市対抗までに修正出来ているか注目してみたい。

     変化球はスライダー、フォーク、ツーシーム、カーブと縦横緩急の球種を揃える事が出来ており、特にフォークで空振り三振を奪うシーンが見られた。スライダー、ツーシームは内野ゴロを打たせて取るために使っている。カーブは使う頻度が少なく、もう少し投球の中に組み入れていっていいかもしれない。

     クイックも1.2秒前後と素早いクイックが出来ていて、牽制も適度に入れている。フィールディングの動きは悪くないが、打球反応でひとつ課題を残す。

    (投球フォーム)
     
     ワインドアップから始動する。左足を胸の近くまで引きあげて、右ひざは真っすぐ立たせて一本足で立つ。左足を三塁側へ伸ばしていきながら、重心を下げていき、軸足を折り曲げて股関節に体重を乗せていき、前足の膝を送り込んで、長い足を持て余さずに広いステップで踏み込む事が出来ている。188センチの長身投手だが、下半身の使い方は柔軟で、滑らかな体重移動が実現出来るのがこの投手の長所。

     左腕のグラブをやや斜めに突き出して、開きを抑えていき、左腕のグラブをしっかりと左胸に抱え込むことが出来ており、重心移動も一塁側へずれずに、直進的な重心移動が出来るので、両サイドの投げ分けは可能になる。テークバックは内回りの回旋で、右肘はしっかりと上げる事が出来ており、肩肘への負担は少ない。テークバックからリリースまで身体に近く、縦回転の軌道で放る事が出来ており、綺麗な回転が掛ったストレートを投げ、さらには落差のあるフォーク、カーブの投げ分けも可能となる。

     最後のフィニッシュでも前足にしっかりと体重を乗せる事が出来ており、体勢が崩れることもなく、ロスのない体重移動が出来ている。188センチにして始動からフィニッシュまで理に適った動きが出来ているフォームであり、あとは重心移動が乱れないようにして、低めへの制球力が意図して出来ているように軸足の動きを再確認してほしい。

     フォーム技術は出場投手の中でも高いレベルに到達しているのではないだろうか。
    将来の可能性
     ポテンシャル、技術、投球内容においては昨年ドラフト指名された右投手と比べても、ドラフト候補に上がる逸材だろう。ぜひ都市対抗で大きくアピールしてほしい投手だと思っている。26歳ということで、即戦力度というのが試されるが、今年の候補に挙がる投手を相対的に見て、戦力として獲得していきたいと思わせるモノは十二分にあるので、都市対抗予選で課題となった高めへ浮く制球力と緩急が少ない投球コンビネーションを改善していきたい。

     ポテンシャルの高さはスカウトたちには伝わっているので、まずは実績。そして打たれてからでも試合を作ることが出来る修正能力とゲームメイク能力を見せていけば、自ずと評価は高まっていくであろう。都市対抗でのブレークに期待したい!
    情報提供・文:2012.07.12 河嶋 宗一

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