選手名鑑

フェリペ・ナテル(ヤマハ)

フェリペ・ナテル

フェリペ・ナテル

所属チーム:
ヤマハ
所属都市:
浜松市
球歴:
カントリ – キッズ
ポジション:
投手
投打:
右/右
身長:
177cm
体重:
86kg
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  • 寸評
    ブラジル出身の投手。05年にIABFワールドカップに出場。チームメイトだったチアゴに紹介されて、06年にヤマハに入社。3年目(09年)にブレークした。今年に日本人扱いで指名を受けることを希望していたため、昨年は指名されずに今年に勝負をかけることを決断した。都市対抗の投球は今年にかける意気込みがひしひしと感じられる内容を示してくれた。惜しくも指名されなかったが、これからもドラフト候補として追いかけていきたい投手だ。

    (投球スタイル)
    ストレート 144キロ
    常時130キロ後半~140キロ前半
    スライダー 125キロ~135キロ前後
    縦のスライダー 135キロ前後
    カーブ 90キロ前後
    チェンジアップ 115キロ前後

    やや勢いが欠けていたストレート。この1年で鍛え込んだ結果、140キロ前後でも破壊力満点のストレートに変貌。日本人では投げられない外国人投手としての凄味とパワーを感じる。そのストレートを両サイドにしっかりとコントロールが出来ており、安定している。

    変化球は打者の手元で曲がる小さなスライダー。ストレートと球速が変わらない縦のスライダー、チェンジアップ、カーブと球種は多彩。

    (配球)
    彼の特徴はテンポよく追いこんで、有利なカウントに持ち込んで、自分の決め球である縦のスライダーで三振を狙わせる配球をしている。実に単純だ。しかしテンポの良さが打者は自分の間合いで打つことができず、思わず振ってしまう。

    しかし自分の決め球を狙わせる配球は相手から狙われやすい。同点にされるまではその傾向が見られた。しかし同点にされてからの投球が見事であった。間合いを変えながら、狙って縦のスライダーで三振を狙うようなことはしない。カーブ、チェンジアップの比率を増やし、ベースぎりぎりで攻める横で勝負する投球になってきた。スライダー、カーブを混ぜて、外角のストレートを見せ球にして、最後はインコースのストレートで見逃し三振に奪う配球を見せるなど、冷静な投球が出来る可能性を示してくれた。

    (投球フォーム)

    ワインドアップから始動する大きく足を上げながらも、軸足は突っ張ることなく立つ事ができているが、捻りが大きく、軸がぶれると身体が開きやすくなるので気を付けたい。

    次からの動作が他の外国人と違う。左足を二塁方向に送りこみ、腰を落として、前膝を送り込んで、着地しているのだ。股関節の硬い外国人は歩幅が狭く、上半身の強さに頼った投げ方になる。しかし彼は日本人らしいヒップファースト。稀有な股関節の柔らかさを持った投手かもしれない。

    黒人特有の体の強さも相まって、日本人にはないパワーをうまく捻出することができているのだ。左腕のグラブをみると、打者に正対するので、引き込みははやいが、抱え込み位置は悪くない。

    コンパクトにテークバックをとっていき、しっかりとトップを作り、リリース。肘をしなやかに使えており、球持ちは抜群。それによりバックスピンのかかったストレートを投げており、指先にしっかりと力を伝えることが出来ている。最後のフィニッシュでもしっかりと腕が絡んでおり、けり上げが強く、躍動感のあるフィニッシュが出来ている。


    昨年は腕の振りが鈍く、下半身を上手く使いきれていない。テークバックを取ってスイングに入るときに、左腰が詰まっているため回転が鈍くなって腕の振りが遅くなっている。マウンドにも合っていないのか。本当の意味で地に足が付いた投球ができていなかった。今年はフォームがだいぶ改善され、しっかりと直してきたことは評価出来る。
    将来の可能性
     今回の都市対抗の内容はプロ入り出来る内容であると評価していた。ストレートの質、変化球のキレ、投球術はプロ入りした右投手と比較しても決定的に劣るものはなく、個人的にはほしい投手と思わせる投手だった。今のレベルで指名されないということは、更に圧倒的なパフォーマンスを示し続けなければならないということだろうか。彼はまだ若いし、伸びる余地はある。

    残留が決定したが、来年のドラフト指名候補であることは間違いないだろう。プロ入りの気持ちを諦めず、強い決意を持って、来春からアピールし続けることを期待している。
    情報提供・文:2011.11.24 河嶋 宗一

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