選手名鑑

松井 飛雄馬(三菱重工広島)

松井 飛雄馬

松井 飛雄馬

所属チーム:
三菱重工広島
所属都市:
広島市
球歴:
江の川
ポジション:
遊撃手
投打:
右/右
身長:
180cm
体重:
85kg
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  • 寸評
     横浜から7位指名を受けた松井 飛雄馬。プロ入り後は「飛雄馬」としてプレーする。名前は巨人の星のファンである母が「飛雄馬」と名付けたそうだ。彼は懐が深く力強いスイングから右、左へと打ち分け、ショートでは身軽な動きと強肩を見せるショートといえば聞こえは良いが、とにかく荒削りで育てるのは難しい。ただ嵌った時のプレーは素晴らしく、それが魅力的ともいえる。個人的に残留と見ていたが、横浜のスカウトは彼を荒削りさはあるけど、プロの指導によりプロでも使えるショートと見込んで指名に至ったのか。

    (打撃)

     都市対抗ではノーヒットに終わったが、予選では22打数10安打 打率.455 6打点を記録しており、高打率を残している。打撃のポテンシャルは高い選手なのだ。結果は伴わないが、しっかりとバットが振れる良い選手であると思う。ただ技術的な欠点は多い選手。


     スタンスはスクエアスタンス。予め引き手を引いてグリップを高めに置いて背筋を伸ばして構えている。余計な力みを感じない良い構えといえる。

     投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、足を高く上げて真っ直ぐ踏み込む。始動の仕掛け自体はやや早く、大きく足を上げて踏み込んでぶつけていく選手だ。トップの動きを見ていくとぐっと深く取っていく。ただグリップが入りすぎており、インコースの捌きは窮屈になってしまっている。スイングはしっかりしており、腰が入った時のスイングは本当に速いし、スタンドイン出来るパワーを秘めている。アマチュアの若手内野手で彼ほど振れる選手はむしろ少ない。

     都市対抗では全くタイミングが合っておらず、ストレートには振り遅れ、スライダーには腰の開きが早くなって、目線がぶれて、スライダー系統の変化球に空振りを繰り返している。変化球を捌くことが出来ない選手なので、プロの投手に慣れるのは時間がかかる。

     彼が活躍を見せたのは一昨年の都市対抗。彼はホームランを打っている。左投手のスライダーに対してポイントを前に置いて、体を開かずに打ち返し、ライトスタンドへ打ち込んだ打撃は見事であった。良い時は素晴らしい打撃を見せるが、荒削りな打撃で、モノになるのは難しい。

    (守備・走塁)
     彼の守備で一番の長所は深い位置からノーステップでダイレクトスローを見せる地肩の強さであると思う。身体が大きいが、俊敏でダイナミックな動きを見せるショートストップだ。

     昨年よりも守備の安定感は高まったのではないだろうか。一歩目の反応が良くなり、球際も強い。正面のゴロに対しては腰を低く落として確実に処理している。JR東日本戦では深い位置から逆シングルで、ノーステップでダイレクトスローを決めた送球は素晴らしかった。地肩の強さ、足腰の強さ、背筋力の強さが伺えた。逆シングルからの動作は成長している。

     塁間タイムは4.30秒前後と右打者としては標準のタイム。左打者として4.00秒前後を計測するタイムだ。
    将来の可能性
     ツボに嵌った時の打撃、身のこなしの良い守備は魅力的。課題はポイントが限られる脆い打撃にある。育てにくい素材だ。しかし横浜に指名された内野手の中で最も動ける内野手であるということは間違いない。プロでは自分の技術的な課題を理解し、課題克服のために愚直に取り組むこと。身体能力は高いし、脚力も基準以上のものはあり、長打もある。そして21歳の若手だ。生き残るために何をすればいいのか。何を取り組めばいいのか。その思考で動くことが彼の素質を開花させることにつながると信じる。

     一年目では二軍の公式戦でスタメンとして出場を目指し、終盤で一軍昇格が目標だろう。高卒3年目の社会人だが、即戦力としては見ていない。右の若手内野手は少ないので、そのポイントに沿った指名ともいえるが、一軍の戦力として計算するのは1,2年の月日はかかりそうだが、彼の打撃が開花すれば将来的に5~10本塁打を打てるショートストップに成長しそうだ。

     たまに見られるファインプレーはプロ級。荒削りな素材であることは分かっているから、こういう選手に技術的な課題を克服させて、ぜひ開花させてほしいと思う。
    情報提供・文:2012.01.25 河嶋 宗一

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