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田原 誠次(三菱自動車倉敷オーシャンズ)

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- 寸評
- 実に渋いサイドハンドであった。巨人からドラフト指名を受けた田原 誠次。彼の名を上げたのは先日の都市対抗。伯和ビクトリーズの補強選手として出場し、二番手として登板した彼の投球に多くの人が目を奪われた。とにかく渋い。あまりにも渋い投球に彼が高卒4年目という経歴に驚かされてしまう。鋭い腕の振りから投じるキレのある速球と3種類の変化球を低めに投げ分ける制球力と投球術には舌を巻くものがあった。まだ修羅場を潜り抜けていない点と緩急があまりない投球に物足りなさを感じたので、残留という評価であったが、やはり22歳という将来性を期待しての評価であったのだろう。個人的には面白いサイドハンドということで取り上げておきたい。
(投球スタイル)
右サイドから投じるストレートは常時130キロ後半~140キロ。変化球は120キロ前後のスライダー、130キロ前後のチェンジアップを投げている。彼のストレートはサイドらしい手元でぐっと伸びる球筋。そしてスライダー、チェンジアップは手元で減速する球筋。手元の軌道で打者のタイミングを外す嫌らしい投手であり、低めも意識しており、なかなか憎い投球をする投手ではある。ただ緩急がなく、慣れると捉えやすい。今の限られた球種の中ではしっかりと考えた投球が出来る投手であり、評価は出来る投手だ。
(クイックタイム・フィールディング・牽制)
クイックは1.1秒~1.2秒前後と素早いクイックが出来ているし、牽制も素早い。二塁に入った時の目切りも良く、走られ難い雰囲気を持っている。フィールディングの動きも良く、投球以外の技術もしっかりと鍛えられている。
(配球)
・右打者
外角中心にストレートとスライダーのコンビネーション。彼のスライダーは真横に曲がるものではなく、手元ですっと曲がるものなので、実はこれが一番打ち辛い。そして手元ですっと落ちるチェンジアップもあり、予想以上に打ち難さを感じる。ストレートも手元でくっと伸びていく。
・左打者
外角中心にストレート、チェンジアップを投げ分ける配球。低めにしっかりとコントロールが出来ており、タイミングを狂わすシンカーが実に良い。終盤になると高めに浮いたところを痛打されていたが、低めへ投げ分ける意識、打者の間を崩し意識は良い。
(投球フォーム)
腕をしならせて鋭く腕を振り抜くサイドハンド。
セットポジションから始動する。左足を勢いよく上げていき、右足はしっかりと立つ。左足を二塁方向へ送り込んでいき、重心を下げていき、着地する。左腕のグラブを開くのはやや速いが、テークバックを小さく取り、腕をしならせるので、打ち難さは感じる。肘が立って、腰の切り返しと合わせて鋭く腕を振っていくので、手元でキレるストレートを投げ込むことが出来ている。球持ちは良く、しっかりとリリースで力を伝えることが出来ている。最後のフィニッシュでもしっかりと蹴りあげて終えることが出来ている。
投球は若くないが、投球フォームは若い。老獪さと若さを兼ね備えたのが田原誠次なのだ。 - 将来の可能性
- 投球のレベルは高く、自分の間で投げることが出来る姿は22歳とは思えない落ち着きがある。それでいて投球フォームはバネがあって若い。投球が完成されつつあるが、体の細さを見るとまだ可能性を感じさせてくれる。ただ即戦力として推せない点が2つある。
・実績が少ない点
・緩急がなく、投球の幅が狭い。
社会人は実績が一番のファクター。都市対抗でどれだけ実績を残し続けることが出来たかが大きなカギとなる。21歳の若手でも即戦力として期待される選手ならば自分の力で自分のチームを都市対抗に導くだけの力量と存在感はほしい。
彼の投球は完成されているといっても今ある球種を最大限に使っている。それだけでも素晴らしいが、まだ緩急がなく、一軍の打者を想定すると打ちこまれやすい不安要素がある。しかしまとめで取り上げた22歳とは思えない落ち着きと少ない球種の中で投球を組み立てていく頭脳を持ち合わせているので、引き出しを増やしていく可能性は秘めているし、投球フォームはバネがあって、若いので、トレーニング次第で145キロ前後まで伸ばしていける予感を感じさせる。
ここ最近のジャイアンツの投手としては異色のタイプ。速球派が多いジャイアンツにとってやや技巧派に走る彼をどんな投手に育て上げるか注目している。一年目は二軍で実績を重ねて、2年目以降が勝負になるのではないだろうか。 - 情報提供・文:2011.10.28 河嶋 宗一
誠次さんは高校途中まで野手でしたのでフィールディングは文句ありません。
投球スタイルはカーブでカウントを稼ぎ,キレのあるストレート,スライダーで勝負というタイプでした。
当時からサイドハンドで140近く出ていましたし,打ち込まれても直ぐに修正できる器用さを持っていましたので負け試合をあまり見たことがありません。
ジャイアンツでも必ず活躍してくれると信じています。
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