選手名鑑

新垣 勇人(東芝)

新垣 勇人

新垣 勇人

所属チーム:
東芝
所属都市:
川崎市
球歴:
国士舘横浜商大高
ポジション:
投手
投打:
右/右
身長:
183cm
体重:
84kg
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  • 寸評
     2011年の都市対抗で完封勝利を上げた新垣 勇人。その投球は指名クラスに値する投球だったのだが、指名に至らなかった。2011年で4年目が終わったので、5年目となる2012年では年齢の高さもあって、二の足を踏むのかと思ったら、そんなことはなかった。指名したのは北海道日本ハムファイターズ。今でも球界随一の中継ぎ陣の層の厚さを誇る日本ハム。彼の加入で、より分厚い投手陣になりそうだ。

    (投球スタイル)
    ストレート 145キロ
    常時140キロ~143キロ
    スライダー 120キロ前後
    縦のスライダー 120キロ前後

    実際に彼の投球を見たのは西関東予選。リリーフとして登場した新垣は常時145キロ~140キロ後半を計測。更に鋭くフォークを投じており、社会人レベルでは打たれる気がしなかった。あの試合の投球だけならば、ストレートのスピード、球威、フォークの切れ、コントロール、安定感ともにプロのセットアッパー級の投球だった。

    都市対抗の投球は西関東予選の投球と比べるとスーパーではなかったが、安定感は相変わらず良かった。140キロ~145キロの速球を両サイドにしっかりと投げ分けている。変化球はスライダー、縦スライダー、フォークを投げ分けることができており、安定した投球ができている。

     西関東予選の投球が出来れば、即セットアッパー級だが、都市対抗の投球を見ると、もう少し割引いてみたほうがいいが、それでも50試合前後は投げられる安定感は備わっている。

    (クイック・フィールディング・牽制)
     クイックは1.1秒~1.2秒前後と素早いクイックが出来ており、牽制もしっかりと入れる。自分の間で投げることが出来ており、マウンド捌きはさすが26歳。洗練されている。

    (投球フォーム)
     昨年からテークバックの小さいフォームに改良し、制球力、ストレートの切れを高めた。

     セットポジションから始動する。左足を上げることなく、体を前傾させて、そのまま踏み込んでいく独特の踏み出しである。新垣は踏み出す時、ベタ足で着地することなく、軸足にしっかりと折り曲げてから、全体重が乗るように体重を乗せていく。都市対抗時は前足にしっかりと体重が乗った状態で投げることができていた。

     テークバックの時に肘が肩の高さまで上げることができており、トップ時はしっかりと腕をたたむことができており、しっかりと形を作ることができている。リリースでは打者寄りで離すことができており、非常に良い位置で離すことができている。

     最後のフィニッシュでもしっかりと左足に体重が乗った状態で、リリースすることが出来ている。彼の調子が悪い時は踏み出し足にしっかりと体重が乗らず、突っ込んだ状態でボールを投げている時。その時はどうなっているかというと、リリースポイントが安定せず、ボールがばらついてしまい、元の制球力が良くなかった新垣に戻ってしまう。その時は肘が肩のラインまで上がらずに投げてしまっているため、故障には気をつけてほしい投手。良い状態のフォームのままを維持できれば、一軍で活躍出来る投手だ。
    将来の可能性
     実力について、わかりやすく説明すると、まず同じ日本ハムの森内 壽春よりは制球力、球威、ストレートも上であり、力で押していけるし、先発にも適正がある投手。投球術、完成度の高さはもちろんだが、精神的な落ち着きが素晴らしい。摂津のアマチュア時代の投球はあまり見ていないのだが、セットアッパーとしてならば、50試合~60試合の登板も可能だ。先発の適正もあり、5勝~10勝前後も可能で、防御率も2.50~3.00辺りは十分見込める投手であろう。

     ここまで即戦力としての働きが期待できるのも、社会人5年間で、自分の課題に向き合って、フォーム改造に取り組み、投球の総合力を高めていったから。実力だけではなく、しっかりと課題に向きあって取り組む姿勢がある投手は、長く活躍できる投手が多い。プロ入りは遅い分、30歳後半まで長く続けてほしい投手だ。
    情報提供・文:2013.01.30 河嶋 宗一
  • 寸評
    「変貌!」
    ある意味、大きな賭けだったかもしれない。東芝の主力投手・新垣勇人ががらりと投球スタイル、投球フォームも変えたのだ。新垣といえば140キロ台後半の速球と鋭く落ちるフォークで三振を重ねる本格派スタイル。3年目でプロ入りできず、この都市対抗まではドラフト戦線から離れ、ドラフト雑誌で安達了が取り上げられることはあっても、彼を取り上げることは殆ど少なくなっていた。今年は不調続きで思うような投球が出来ず、藁を掴む思いで、大会1カ月前にテークバックの小さいフォームに矯正し、格段に速球の切れ、制球力が向上し、開幕戦の三菱重工神戸戦で見事に完封を決めた。

    (投球スタイル)
    ストレート 146キロ
    常時140キロ~143キロ
    スライダー 120キロ前後
    縦のスライダー 120キロ前後
    彼の武器は縦回転がかかったストレートだったが、テークバックを小さくし、肘の位置を下げたのか、角度はなくなったが、常時140キロ中盤を計測しており、スピード能力は相変わらず。とにかく150キロ近い速球を売りにしていた投球スタイルと比べるとだいぶ実戦を意識した投球スタイルである。角度はないが、キレがかなり良くなり、ストレートで空振りを奪える球質に。手元でぐぅーと伸びる球質になった改良できたのは大きく評価できる。変化球はスライダー、縦のスライダー、フォークと縦横の変化を織り交ぜる。変化球はいつでもストライクが取れる制球力があり、ストレートも低めに集まる。実に実戦的な投手に成長した。

    (クイック・フィールディング・牽制)
    クイックは1.1秒~1.2秒前後と素早いクイックが出来ており、牽制もしっかりと入れる。自分の間で投げることが出来ており、マウンド捌きはさすが26歳。洗練されている。

    (配球)
    ・右打者
    外角中心にストレート、スライダーを集めて行く配球を見せながら、途中でインサイドに織り交ぜる。ストレートは両サイド・低めに集める制球力は◎で、変化球でいつでもストライクが取れて投球の組み立てがしやすい。テンポよく追いこんでいき、最後はフォークで空振り三振を狙う配球。カーブ、スライダーで緩急を付けて、自慢のストレートで打ち取る配球は見ていて爽快だ。

    ・左打者
    外角中心にストレート、スライダーを集める配球。左打者にはフォークの割合が多く、フォークで空振り三振に打ち取る割合が多い。ストレートで空振りを打ち取ることが出来ているが、左打者にはどちらかというと慎重。両サイドにギリギリに投げ分けて打たせて取る投球が出来ている。

    (投球フォーム)
    冒頭で述べたとおり、フォーム矯正に取り組んだのは1か月前。大会直前の変更で不安もあったようだ。テークバックの小さいフォームに勧められ、制球良くするため、後ろ小さく、前で大きく、コントロールも良くなった。

    セットポジションから始動する。左足を上げることなく、体を前傾させて、そのまま踏み込んでいく独特の踏み出しである。やや開きが早いのが気になるが、テークバックの小さいフォームにより、打ち難さは増したであろう。体を大きく使うフォームから体を小さく使うフォームは投球スタイルが小ぢんまりとしてしまい物足りなさを感じてしまう。確かに今のフォームから以前の新垣が得意としていた縦の角度はなくなった。だが本人がボールにしっかりと力を伝えるリリースの感覚を掴んだことにより、以前よりもストレートのキレが高まり空振りが奪える投手に成長することが出来たのは評価していいだろう。

    26歳を迎えてここまでの変化を遂げることが出来た彼の挑戦は評価するべきだと思う。
    将来の可能性
    東芝は時間をかけて一人の投手を熟成させる。日本ハムで活躍する増井 浩俊、一学年下の江柄子 裕樹、そして新垣と。潜在能力の高い投手ばかりだ。その彼らをしっかりと熟成させて、力のある実戦派投手に育てていく育成術には目を見張るものがある。育成とは急がないこと!を教えてくれるようなチームである。

    でも社会人には25歳が適齢期である。彼には4年目を迎えて26歳。適齢期は過ぎてしまったという見方が出来るが、たらればの話になって申し訳ないが今年指名された大学・社会人投手の中では実戦力では彼に劣る投手は存在するわけで、個人的には指名してほしかった投手だった。アピールが遅かったのかもしれない。また江柄子の指名が優先され、会社の残留を要請されたのだろう。ただ彼は自分の殻を破るために投球フォーム矯正に取り組み、過去最高の投球を見せてくれたのは間違いない。

    プロ入りはならなかったが、新垣の取り組みは伸び悩む才能ある投手たち勇気付けるものだったと思っている。腐らずに辛抱強く取り組めば、いつしか光りが見えるということに。ひとついえることはプロ野球だけが野球ではない。社会人野球で末永く活躍する投手になってくれることを期待したい。
    情報提供・文:2011.11.12 河嶋 宗一
コメント (1)
ドラフトに今年は2012.10.26 綱島勝良
力を認められお待たせのドラフト
今年も都市対抗ではお陰様でベスト8まで行かせて貰いました。
良くグランドに迄応援に来られてたおじい様 お母様漸く
夢のプロに行く訳ですね。此れからは札幌へ、行く機会が増えそうですね おめでとうございました。 世田谷区 綱島勝良 OB

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