2013年11月01日 京セラドーム大阪(大阪ドーム)

三菱重工広島vs九州三菱自動車

第39回社会人野球日本選手権 1回戦
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鮫島 優樹投手(三菱重工広島)

日本選手権34年ぶりの勝利

「あ、そんなにですか」
 試合終了後、日本選手権での勝利が34年ぶりであると知った時、三菱重工広島の中野監督は思わずそう呟いた。久々の勝利をもたらしたのは序盤での得点と鮫島の好投だった。

 2回、先頭の5番・井口 晴樹が右中間を破るスリーベースヒットで出塁する。中野監督が「井口がいいところで出塁してくれたのが大きかった。最年長、35歳のベテランなんですけど、打って走って背中で引っ張ってくれて頼もしい」と話せば井口も「シンプルに、引っ張らずセンターに打ち返すことを考えていました。いいピッチャーが多いですから追い込まれると苦しくなる。自分のスイングできる若いカウントから振って行きました」と満足気に振り返った。

 6番・田中 友博のデッドボールで無死一、三塁とすると、7番・戎 至誠のライト前タイムリーヒットで1点を先制。その後、二死二、三塁となると1番・松永 弘樹がセンターオーバーの2点タイムリースリーベースヒットでリードを3点に広げた。井口、戎、松永いずれもファーストストライクをしっかり捉えての攻撃は、1イニングにスリーベースヒット2本という大会タイ記録のおまけまで付いた。

「(日本選手権は)いいピッチャー相手になってくるので積極的に行くのが大前提」と中野監督は話していたが無得点に終わった初回の攻撃にも積極性が表れていた。

 一死一、二塁から4番・松原 匡志のセンターフライで二走・松永がタッチアップで三塁へ。センターからセカンドへの中継が乱れるとボールがこぼれる間に一気にホームを狙う。結果はホームタッチアウトとなり得点には結びつかなかったが、しっかりオーバーランし常に次の累をうかがう姿勢を見せた。

 中野監督が「序盤に点取れて、鮫島がしっかり投げてくれたのが大きかった」と振り返ったように、この日のヒーローは間違いなく3安打完封の鮫島 優樹。初回こそ連打を浴び二死一、二塁のピンチを背負ったが無失点で切り抜けると以降は九州三菱自動車打線を全く寄せ付けない。打者やカウントによってスライダーを浅く握ったり深くに握ったりしたという投球術もさえ渡り、2回以降許したランナーはわずか3人。唯一得点圏にランナーを背負った6回には、初回に連打を浴びた3番・吉田 糧、4番、中村 毅を連続三振に仕留め、終盤は1人のランナーも許さなかった。

「波のあるピッチャーだったんですけど、成長してくれた。フォアボールから崩れることも多かったけど、3ボールでも崩れず粘ってくれた。成長した通りの投球をしてくれた」と中野監督が目を細める抜群の投球内容でチームを2回戦へ導いた。

 次戦までは2日空くが、その先は決勝まで勝ち進むと4連戦というハードな日程が待ち受ける。それでも鮫島は「今日は自分が完封したんですけど、誰が投げても完投でも継投でも同じ投球できる取り組みをして来ました」と頼もしい言葉を口にする。好投手だらけの全国大会でも鮫島が確かな存在感を示した。

(文・小中 翔太


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