2014年11月04日 京セラドーム大阪(大阪ドーム)

JFE西日本vs鷺宮製作所

第40回社会人野球日本選手権 2回戦
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バッテリーの成長に期待がかかる初戦突破

完投勝利の森川投手(JFE西日本)

 相手の4番に一発を浴び2点リードが1点リードに縮まった9回裏、JFE西日本の先発・森川 達哉の球数は120球に達しようとしていた。ブルペンには大黒柱・陶山大介が控えていたが村上監督の判断は続投だった。「場合によっては陶山を超えたエースになってもらわないと困るピッチャーなので」監督の期待に応えるように森川は後続を打ち取った。

「最後は欲出して。スライダーとフォークで空振り取れたんですけど、ストレートが真ん中に入っちゃいました」とホームランを打たれた場面を振り返っていたが「左のインコースと右のアウトコースに投げる時はストレートでもちょっと曲げてます」という工夫が功を奏し、積み上げた27個アウトの内、約半分が内野ゴロ。「とにかく1イニング1イニング、1球1球抜かずに投げました。先輩が後ろに控えているので行けるとこまで」のつもりだったが与四球1と制球も安定し1失点で完投勝利。アマチュアでも分業制が主流のため、今大会の完投勝利は森川が2人目だった。

 「(キャッチャーの)浦を(ピッチャーの)森川が引っ張ってくれた。今日は勝てたことと森川がよく投げたことが良かった」村上監督が森川を手放しで褒める反面、注文をつけられたのがバッテリーを組む浦翔太郎。「逃げてる感じがしたんでね。試合中にこのままやったら代えるぞ、と言いました」村上監督の目に特に付いたのは2回表一死、鷺宮製作所の6番・安田大格に対して3ボール1ストライクからスライダーを要求しフォアボールで歩かせた場面。「まっすぐを張られるカウントで打たれたらどうしようって変化球に逃げてる。打たれてもいいからまっすぐ行けよ。今までそうやってきただろ」決して怒っているわけではなかったが、話せば話すほど熱を帯びた口調になっていた。

しかしそれは大きな期待の裏返しでもある。村上監督の浦に対する評価は「こいつが機能したらホントに強くなる。バッティングもリードも面白い」というもの。2対1というスコアが示すように結果的に勝負を分けることになった2点目は浦のバットが生んだものだった。

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