2015年07月23日 東京ドーム

信越硬式野球クラブvs日立製作所

第86回都市対抗野球大会 1回戦
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信越硬式野球クラブ、まさかのホームラン攻勢で強豪・日立製作所を撃破!

 信越硬式野球クラブがまさかのホームラン攻勢で企業チームの強豪、日立製作所を破った。「まさかのホームラン攻勢」と言うのは予選6試合で打ったホームランが2本と少なかったからだ。それがこの試合だけで3本飛び出した。

 1回表、二死一、二塁の場面では5番小林 亮が2ボール2ストライクのボールカウントでスライダーを空振りしてチャンスが潰えたと思ったが、これがファールとジャッジされ、打ち直しの初球をレフトスタンドに3ラン。3回には6番宇野 竜之介がやはり2ボール2ストライクのボールカウントから7球目をフルスイングしてレフトスタンドに2ラン。5回には1死一、三塁で7番橋本 領太が1ボール2ストライクから内角低め144キロのストレートを体勢が崩れそうになりながら持ちこたえ、コンパクトなスイングで3ランを放った。

 橋本の一打こそ技ありのホームランだったが、小林と宇野のホームランはフルスイングで捉えた一打で、打った瞬間それとわかる強烈な打球だった。これを見て、柳田 悠岐(ソフトバンク)や森 友哉(西武)などパ・リーグの強打者が実践しているフルスイングが社会人野球にも浸透し始めたなと思った。

 投手陣はスコアを見ればわかるように両チームとも苦労した。日立製作所は元プロの荻野 忠寛(元ロッテ)、山本 淳(元西武)や今年のドラフト候補、猿川 拓朗をマウンドに送ったが、信越硬式野球クラブ打線を抑え切ったと言える投手はいなかった。その中であえて取り上げるとしたら山本のストレートの力強さだろう。

 TDK千曲川在籍時やその後の西武時代の印象は、「ストレートは速いが高めに浮く」というもので、一言で言えば「未完の大器」。それがこの日は、低めにびしびし決まった。最速は150キロと速さは健在。そして、リリースの時ボールを押さえ込めるというのが以前にはなかった良さで、違う表現をすればリリースで「ボールを潰せる」。この極意は西武時代にはなかったと思う。

 今現在33歳なのでプロは食指を伸ばしづらいと思うが、短いイニングならこれだけ質の高いストレートがあれば、落ちる系の変化球が1つあれば十分通用すると思う。ここで問題になるのが変化球の精度。111キロ程度のカーブ、140キロ程度のカットボールを投げていたが、落ちる系は見られなかった。3イニングの中で投げなかったのか、もともと持っていないのか。キレのいいフォークボールないしはチェンジアップを見せてくれたら、太鼓判を押して再度のプロ挑戦を後押しできたのに、と思った。

 猿川は昨年の都市対抗で見た鮮烈な印象はなかった。ストレートは最速146キロとまあまあで、縦変化スライダーとチェンジアップのキレも一級。しかしストレートに「ドラフト上位候補」と言うだけのキレや力強さが感じられなかった。秋の捲土重来に期待したい。

(文=小関 順二

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