2016年07月17日 東京ドーム

Honda鈴鹿vsJFE西日本

第87回都市対抗野球大会 1回戦
印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

とにかく「強い」Honda鈴鹿。泥臭いプレーでJFE西日本を圧倒

 Honda鈴鹿の積極的な攻撃に注目した。まず1番大城戸 匠理(法政大卒25歳・二塁手)は法大の下級生時代は一塁を守ることが多く、そのポジションによく見られるように打つことのほうが目立ち1番を打つようなタイプではなかった。しかしこの日の大城戸は3回に二塁ゴロを打つと一塁にヘッドスライディングするなど積極的なバッティングや走塁を見せ驚かされた。

 この大城戸が5回に初球のスライダーをレフト前にヒットを放つと2番中村 毅(亜細亜大卒25歳・中堅手)の2球目に二盗を成功するのだが、Honda鈴鹿の攻撃パターンを考えればここはバントで送って1死二塁の局面を作るはず。しかし、そのセオリーを破って無死二塁にしてから中村が送って1死三塁にして、3番南 善規(東邦ガスからの補強、32歳)の二塁打で勝負を決定づける4点目が入る。南の打球が外野の間を抜けず外野フライでも1点が入る場面で、1死二塁でなく1死三塁を選択した攻撃にすっかり魅了された。

 ちなみに、Honda鈴鹿のスターティングメンバーは東京六大学や東都大学の選手が多い。その名門出身が、「有名どころを並べて、名前だけで相手を圧倒するつもりか」と意地悪く考えたこっちが恥ずかしくなるような泥臭いプレーを続けたのである。

 ヘッドスライディングは大城戸だけでなく、6番庄司 輔(国学院大卒27歳、左翼手)は4回に送りバントをしたとき、中村は6回に内野安打を放ったとき、それぞれ猛烈なヘッドスライディングを見せ、得点に結びつけている。

 打者走者の走塁も凄かった。私が俊足の基準にする「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12秒未満」をクリアしたのは6人11回。
JFE西日本も4人(5回)がクリアしてよく走ったほうだが倍以上の開きがある。Honda鈴鹿の走塁が凄すぎるのだ。名門出身のなりふり構わぬ泥臭い全力プレーに私は本当に驚かされた。

 好球必打もHonda鈴鹿のほうが目立った。全投球に占めるストライクの見逃しの割合、いわゆる「見逃し率」はJFE西日本の17%超えに対して、Honda鈴鹿は13%程度。JFE西日本も4回までは15%程度だったが、点差が開くにつれて見逃しが多くなり、終わってみれば4%の差がついていた。

 ストップウォッチ関連でもう1人凄かったのがHonda鈴鹿のキャッチャー、飯田大祐(中央大卒26歳)だ。イニング間では最速1.86秒を計測し、そのほとんどが2秒切り。実戦では6、8回に二盗を許しているがそれぞれ1.91秒、1.96秒という速さで、コントロールも低めに決まり、飯田だけに責任を求めるのは可哀想だと思った。

 とにかく「強い」というのが見終わってからの感想である。

(文=小関 順二

応援メッセージを投稿する