2016年07月17日 東京ドーム

王子vsJR東日本

第87回都市対抗野球大会 1回戦
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息詰まる投手戦を王子がサヨナラ勝ちで制する!

 社会人を代表するJR東日本田嶋 大樹佐野日大高卒20歳)、王子近藤 均(関西大卒・26歳)の先発なので投手戦になると思ったが、予想を上回る投げ合いになった。

 田嶋を1回裏に見たときにはため息が出た。投球フォームはサイドに近い左腕のスリークォーター。球持ちのよさが見事でバッテリー間の18.44メートルが短く見えた。ストレートのスピードは140キロ台前半から後半までいろいろ。昨日の第3試合に登板して145キロ以上が平均的に出ていた山岡泰輔(東京ガス)とくらべると速さが一定せず計測値も物足りないが、打者近くでのキレのよさではヒケを取っていなかった。

 対する近藤は昨年チームを4強に導き、小野賞を受賞している。そのときのコラムでは、「徹底的にストレートを隠し、スライダー、カットボールをストレートのような感覚で多投。とくに威力を発揮したのがカットボールで、スターティングメンバーに6人並んだセガサミーの左打者の内角を激しくえぐった。勝負どころではスライダー系に慣れた打者を嘲笑うようにストレート、フォークボールを投じ、10三振のうちフォークボールで奪ったのが5個、ストレートで奪ったのが4個という内訳」と書いた。

 基本的なピッチングはそのときと変わらないが、ストレートの割合が昨年より増した。それでもピッチングの骨格は「技巧」で出来上がっていて、変化球を際立たせるために最速146キロのストレートを投げ、中盤に球速が衰えると110キロ前後のカーブを多投してストレートを速く見せ、それを打者に刻み込んでからスライダー、カット、フォークボール(チェンジアップかも)を多投して打者を翻弄する。カーブが変化球の中で重きをなすようになった点が昨年と違うところだろう。

 両チームともチャンスはあった。走者を得点圏に置いたのはJR東日本の3回に対し、王子が6回。田嶋のピッチングで最も見ごたえがあったのは元中日の中田亮二(JR東海からの補強29歳、一塁手)に対したときで、5回裏の一死三塁の場面では143キロのストレートで押し込んでショートフライ。9回の二死二、三塁のときもストレートで押し込んでセカンドゴロに打ち取っている。ともに窮屈な体勢にして打ち取っているのは元プロに対する負けじ魂だろうか。

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