2016年07月25日 東京ドーム

トヨタ自動車vs西濃運輸

第87回都市対抗野球大会 準決勝
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終盤に逆転劇が起きた好ゲームは西濃運輸が逃げ切り勝利!

 序盤からトヨタ自動車の足攻が目立った。1回表、先頭の藤岡裕大(亜細亜大卒23歳・右翼手)が3球目をセンター右へヒット、と思ったら猛然と一塁ベースを蹴って二塁を陥れてしまった。

 一塁に到達した時点でストップウォッチを止めてしまったが、このときのタイムが4.20秒。二塁到達は推測で7.5~7.6秒台。猛烈な速さである。後続が倒れて得点に結びつかなかったが、この藤岡の走塁がトヨタ自動車に勢いをつけ、西濃運輸にプレッシャーを与えたと思う。

 2回には1死から西濃運輸の先発・六信 慎吾(法政大卒25歳)の変化球を捉えて4連打、あっという間に2点を先制した。この1、2回でトヨタ自動車の各打者走者が、私が俊足の基準にする「一塁到達4.3秒未満」をクリアしたのは4人。猛烈な足攻と言ってよく2対0というスコア以上の点差を感じた。

 トヨタ自動車の先発・六埜 雅司(東海大卒25歳)はよかった。左腕から投じられるストレートの最速は144キロ。特別速くはないが球持ちがよく、ボールが放たれるときの角度がだら~んとしていないのがいい。視覚的な表現でわかりづらいかもしれないが、横から見てボールが飛び出ていくときの角度が「へ」の字になっている。リリースでボールを押さえ込めていないと、この「へ」の字の角度は生まれない。

 球種はストレートとスライダーが主体でけっして多くないが、球持ちがよく、高低をつく一定のコントロールがあるので多彩に見える。3回裏、無死一塁で9番藤中 謙太郎(九州産業大卒30歳・中堅手)を迎えたとき3ボール2ストライクから6球目がホームベースよりかなり前でワンバウンドするスライダー。藤中は何とこれを空振りして三振してしまう。

 腕を猛烈に振ってくる投球フォームが藤中を幻惑したわけだが、ここで藤中が四球を選んでいたらその後の展開はまた違ったものになっただろう。

 西濃運輸は序盤から細かな継投策でトヨタ自動車の強打に対抗した。

 先発の六信は投球フォームこそ変則だがストレート主体で押していく本格派、2番手の土屋 直人(福岡工業大卒22歳)は左腕スリークォーターの技巧派、3番手の嶽野雄貴(名古屋学院大卒23歳)は最速149キロの快速球を前面に押し立てる本格派、そして4番手はオーバーハンド左腕の津田 響(京都産業大卒23歳)、5番手は最速147キロのストレートで押す渡辺康介(永和商事ウイングからの補強、日本ウェルネススポーツ専北九州校卒27歳)。右腕→左腕、本格派→技巧派と目先をかわすことに奔走したという印象で、効果はそれなりにあったと思うが、トヨタ自動車は4回に多木裕史(法政大卒26歳・左翼手)が4回にソロホームラン、9回に代打・福田康一(亜細亜大卒33歳)が2者を還す三塁打を放ち、勝負を決定づけた。

(文=小関 順二

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