2016年07月25日 東京ドーム

日立製作所vs東京ガス

第87回都市対抗野球大会 準決勝
印刷する この記事をYahoo!ブックマークに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加   

日立製作所・エースの山本が気迫の投球で東京ガスを退け決勝進出!

 日立製作所の先発・山本淳(国際武道大卒→埼玉西武ライオンズ出身34歳)が大エースの働きをした。今大会初の先発起用は本人の直訴と和久井勇人監督が話していたが、先発志願の覚悟が伝わってくるような気迫十分のピッチングだった。

 最大の見せ場は二塁に走者を置いた5、6回のピッチングだ。5回は1死から8番山内佑規(明治大卒28歳・捕手)に高めに浮いたストレートを二塁打され、2死後に迎えたのは1番地引 雄貴(早稲田大卒26歳・指名代打)。

 力むと高めに浮くストレートは2回以降東京ガス打線に狙い打ちされてきた。それでも状況を考えれば持ち味のストレートを、腕を振って投げ込みたい。その欲求を抑えて2-2のボールカウントから選択した勝負球はストレートでも、スピードを抑えたコントロール重視の内角球。ベルト付近の141キロに地引はバットをぴくりとも動かせなかった。

 6回は2番渡辺侑也(鷺宮製作所からの補強、早稲田大卒27歳・二塁手)に二塁内野安打と二塁手のエラーで二進を許したあと、3番を見逃しの三振、4番をフォークボールで空振りの三振に切って取る。そして迎える4番坂井貴文(東洋大卒28歳、中堅手)はこの日2安打の絶好調男。

 ヒットを打ったときの一塁到達が4.08秒という猛烈な俊足で、内野安打の可能性もある。この坂井に対して最も安定感のあるフォークボールを2球続けたのは球種の少ない山本なら仕方がなかったと思う。第1打席では146キロのストレートをセンター前に運ばれているので、他に選択はなかったと思う。そして坂井はフォークボールを打ち損じてキャッチャーのファールフライに打ち取られる。救われたのはエラーをした田中 俊太(東海大卒23歳・二塁手)だろう。

 日立製作所は1対0で迎えた5回表、2死二塁から3番林稔幸(富士重工業からの補強、立正大卒37歳・左翼手)のショート内野安打で1点加えている。ぼてぼてのゴロに対してショートの中山悠輝(PL学園卒21歳)はダッシュしてからのランニングスローで処理しようとしたが林の足が一歩まさり、さらにこの送球間に二塁走者がホームに生還して貴重な1点を加えた。

 日立製作所は若い内野手のエラーで作ったピンチをエースが気迫の投球で無失点に抑え、東京ガスは若い内野手のどこか軽いプレーで1点加えられ、これが勝敗を分けた。野球はつくづく難しいと思わされた。

(文=小関 順二

応援メッセージを投稿する