欧州野球紀行

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第1回 盛り上がる韓国のプロ野球 【韓国野球が熱い理由】 2013年07月01日

【目次】
[1]空前のプロ野球人気
[2]韓国プロ野球の中の日本人・在日韓国人/「独立球団」高陽ワンダース
[3]プロ野球選手と兵役

韓国プロ野球の中の日本人・在日韓国人

ソウル・蚕室野球場。今年内野の土などを入れ替えた

 そもそも韓国のプロ野球は、1982年に6チームで始まった。現在、サムスン、KIA、LG、SK、ロッテ、ハンファ、斗山といった、韓国を代表する財閥を親会社とするチームと、親会社ではなく、メインスポンサー方式で球団を運営するネクセンの8チームに、今年からオンラインゲームの運営会社を親会社とするNCも加わった。

 チーム数が奇数では、1チームは休まなければならず、シーズンの運営に支障が出ている。そのため10番目のチームとして、通信大手のKTが参入することが、今年1月に決まった。来年から2軍戦に参加し、再来年から1軍のリーグに加わる見込みだ。

 韓国のプロ野球は1リーグ制で、1チーム128試合を戦う。昨年までは133試合であったが、チーム数が奇数になった影響で、全体の試合数は532から576に増えたものの、チーム当たりの試合数は減少した。

 シーズン3位と4位のチームが3戦先勝の準プレーオフを、その勝者と2位のチームが同じく3戦先勝のプレーオフを戦い、その勝者とシーズン1位チームが4戦先勝の韓国シリーズを戦って、その年の王者を決める。いわば、日本のクライマックスシリーズと似たシステムだ。

 韓国のプロ野球と言えば、かつては福士明夫(韓国名・張明夫[チャン・ミョンブ])や新浦寿夫(韓国名・金日融[キム・イリュン])などの、在日韓国人選手が活躍していた。しかし韓国のプロ野球のレベルが上がるにつれ、在日韓国人選手は姿を消した。

 その一方で、一時に比べると随分少なくなったものの、サムスンに元中日の芹沢裕二や門倉健、斗山に元巨人の香田勲男、KIAに元日本ハムの花増幸二といった日本人コーチがいる。また、斗山コーチの宋才博(ソン・ジェバク/日本名・吉本博)は西武など、NCコーチの崔一彦(チェ・イロン/日本名・山本一彦)は、専修大学などでプレーした在日韓国人である。

「独立球団」高陽ワンダース

 韓国野球の異色の存在として、プロ野球機構であるKBO(韓国野球委員会)に属さない高陽(コヤン)ワンダースがある。韓国には独立リーグは存在しないので、通常「独立球団」と呼ばれている。

 通常2軍のチームと非公式の試合を行っているが、日本のチームとも試合をしている。6月にも、社会人野球の強豪・JX‐ENEOSと試合をして1勝1敗、ソフトバンクの3軍とは引き分けている。

 チームを率いるのは、京都・桂高校出身で、千葉ロッテのコーチをした経験もある金星根(キム・ソングン)だ。韓国のプロ野球では、監督として歴代2位の通算1234勝を挙げ、選手の育成にも定評があり、「野神(野球の神)」と呼ばれる、カリスマ指導者だ。

 コーチには、元南海の河埜敬幸、元日本ハムの沖泰司、元楽天コーチの広橋公寿の他、日本ハムでプレーした金実(キム・シル/日本名・田中実)、中日のセットアッパーを務めた李尚勲(イ・サンフン)がいる。また、元千葉ロッテの小林亮寛のような、日本人投手もいる。

 高陽は、本格的に活動を始めたわずか1年余りの間に、11人の選手をKBOのチームに送り出している。韓国には日本の社会人野球に相当するチームがないので、高陽は、高校、大学でプロに行けなかった選手にとって、ラストチャンスの場になっている。

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