第7回 台湾野球の歴史を知る 【台湾野球シリーズ】2013年12月06日

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 台湾出身で、世界を舞台に活躍している選手と言えば、陽岱鋼(北海道日本ハムファイターズ)、王建民(ブルージェイズ)、チェン・ウェイン(オリオールズ)の名前が挙がる。今年の11月、日本代表と国際試合3試合を行ったばかりの台湾だが、昨今、日本の野球ファンからの注目度が高まっている。そんな台湾野球の歴史を今回はお伝えしていきたい。

 

【目次】
[1]台湾野球のスタートは1895年
[2]海外志向が強い台湾野球人の背景
[3]国際大会増加で野球人気が復活

台湾野球のスタートは1895年

 台湾で活躍してきた選手と言えば、オリエンタル・エクスプレスと呼ばれた郭泰源(元西武)、郭源治(元中日)など日本球界を轟かせてきた選手が多い。ただ彼らは台湾のプロ野球を経由してではない。台湾のプロ野球がスタートしたのは1990年。随分遅いスタートなのだ。台湾のプロ野球が開幕するまで、台湾の野球史はどこまで遡るのかというと、1895年までになる。1895年は日本統治が始まった年でもあり、野球も日本人によって台湾に持ち込まれるようになった。台北は当時、日本が統治していた台湾の経済の中心であり、台湾での野球の発祥地。台北を中心に台湾球界は盛り上がっていく。

 1906年3月、台湾で初めての正式な野球チーム「台湾総督府中学校棒球隊」が誕生。これは、台湾総督府国語学校中学部(現在の台北建国中学)校長の田中敬一の主導によって結成したものである。台湾は台北地区の中学を中心に野球部を創部した。

北海道日本ハムで活躍する陽岱鋼選手

 日本統治時代には満州、朝鮮とともに外地の代表として甲子園にも参加しており、1923年には日本の全国中等学校優勝野球大会の台湾地区予選が初めて開催される。初年度初出場の台北一中(現・台北市立建国高級中学)、台北商(現・国立台北商業技術学院)、台北工(現・国立台北科技大学)と台北の学校を中心に盛り上げてきた。1931年には初出場の嘉義農林(現・嘉義大学)が自慢の強打で快進撃を見せる。

 2回戦で神奈川商工を3対0で破り、準々決勝では札幌商(現・北海学園札幌)を19対7の圧勝、さらに準決勝では小倉工を10対2で破り、ついに初の決勝進出。外地の高校として初の優勝を目指したが、決勝では中京商(現・中京大中京)に敗れた。それでも、初出場準優勝と偉大な実績を残した。余談だが、嘉義農林のストーリーは「KANO」というタイトルで、2014年春に映画上映が決まっている。戦前は高校野球を中心に台湾野球を盛り上げていた。

 戦後は大学生、社会人野球を中心とした成年野球が盛り上がりを見せる。1949年に台湾のアマチュア野球を束ね、国際大会の開催などを統括する中華民国野球協会(CTBA)が創設された。 

 台湾のアマチュア野球は高校野球までのカテゴリーは三級野球と呼ばれ、以下のように分類されている。小学生を対象にした少年野球、中学生を対象にした青少年野球、高校生を対象にした青年野球がある。戦後に盛り上がったのは成年野球(大学野球・社会人野球)である。成年野球はこの時期から公営、民営のそれぞれの企業、団体が野球チームを構成するようになった。

 その中で現在でも有名なのは郭泰源、張誌家(元西武)などを輩出した合作金庫、台湾電力である。また兵役中の選手が所属する國訓藍と國訓紅という2チームもある。

 国際大会を戦う、または国際的に活躍する成年選手を輩出するために三級野球の強化は不可欠で、1969年に世界少年野球大会で優勝を決めると、その後、アマチュア球界でも強豪国へ成長していく。

 青少年野球、青年野球で活躍した選手たちがいずれ成年野球の代表となり、1983年にアジア大会で3位、1984年のロサンゼルス五輪では郭 泰源などの活躍により銅メダルを獲得。1980年代は日本で活躍する選手が多くあらわれ、アジア大砲と呼ばれ巨人で活躍を見せた呂 明賜など、国際的に活躍する選手の台頭が目立つなど、台湾野球は大きく盛り上がった。アマチュア野球が盛り上がる中で、
「台湾にはプロ野球が必要だ」
という声が次第に大きくなっていた。また日本で活躍する台湾出身の選手が多くなっていたように、台湾の野球界から優秀な選手達が海外へ流出する現状と危機があった。そんな中で、兄弟飯店が他の大企業に声をかけて、1989年に中華職業棒球聯盟(CPBL)が発足。1990年からリーグ戦を開始し、兄弟エレファンツ、統一ライオンズ、味全ドラゴンズ、三商タイガースの4チームでスタートすることとなった。

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