第10回 台湾で注目の日本人投手コーチ『養父鐵』(中信兄弟) 【台湾野球シリーズ】2015年05月15日

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【目次】
[1]コーチ就任後のチームの変化
[2]台湾野球への思い
[3]中信兄弟 養父鐵コーチ 経歴

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台湾野球への思い

投球練習時。彭政閔選手(左)、養父鉄コーチ(中)、杜家明選手(右)と

――投手コーチとして一年目である今シーズンですが、ここまでの感想を教えてください。

養父 投手コーチとして台湾で指導できることが僕にとって良い経験です。また、ルーツ・ベースボールアカデミーと、チームでは指導法が全く異なるので試行錯誤が続いています。あと、ルーツの生徒達は、プレーしているのは選手個人であるという個々の意識を持っていて、目標設定ができているけど、中信兄弟の投手陣にはまだまだ明確な目的意識が必要だと思います。

――指導するにあたって気を付けている点は?

養父 こちらの選手は自分流の考え方が強いので、声掛けのタイミングに気を付けてます。選手には、失敗することは構わないから、その失敗を次に生かすことが大切だ。プレーしているのはあくまで選手個人であり、諦めなければ失敗を次に生かせるけれども、諦めたら次でも必ず失敗すると伝えています。

――日本と比べて良いところ、悪いところを教えてください。

養父 日本と比べて良いところは、選手達が陽気なところかな。これを上手く引き出して、失敗を恐れず、思い切ってプレーできるよう指導しています。これは悪いところと言うか、現状4チームしかないので、他球団の選手と仲が良すぎるところがあります。お互いを知り尽くしているので、勝負の駆け引きが非常に難しいです。

――指導する上で工夫している点を教えてください。

養父 個々の選手と常にコミュニケーションをとるようにしています。また、以前僕が作成した一門一答形式のメンタルトレーニング表を使って現状の問題点や課題を洗い出し、今後の目標を明確に持たせる手助けをしています。時には、若手投手を集めてスポーツ選手としての考え方、取り組み方を講義してみたりしました。
春キャンプ中は、これまで送球練習でタイム計測していませんでしたが、選手間の競争を促すためにタイムを計測するなど工夫を凝らしました。

――今シーズンは特に打高の傾向が強いですが、投手陣へどのような指導をしていますか?

養父 投手には繰り返しいつも打たれるカウントを意識すること、ボールが高めになっていたらコントロールできていないので、ボールを低めに集めるなど基本を改めて確認しています。

――今後の台湾野球について、どのようにお考えですか?

養父 現状、4チームしかなくチーム数が少なすぎるので、少なくとも6チームで試合をすることが理想です。また、中信兄弟の場合、寮が台北にありながら、メインで使う球場はバス移動で3時間ほどの台中にあるなど問題点が多々あるので、それらを解消していかなければならないと思います。

 また、小中学校からの野球に取り組む姿勢が積み重なり、プロ野球へとつながっていきます。少年期からの練習に取り組む姿勢や目的意識、野球をする環境など、ひとつひとつが重要であると考えています。プロ野球選手になったからと言って、一日二日でこれまでの習慣を変えられないので、この点は非常に重要です。

――ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

養父 中信兄弟には150キロの素晴らしいボールを投げる将来有望な投手がいたり、かつては楽天で活躍しているレイ投手などもいました。台湾野球の層の厚さを見ていただきたいです。
また、日本から数時間で異国の野球を観戦することができますし、台湾は親日国でもありますので、まだ外国の野球をご覧になったことがない方には、是非とも現地に台湾野球を見に来ていただきたいです。日本と違う応援スタイルやスタンドの雰囲気があったり、台湾野球の面白さを体験してみてください。

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