第79回 阪神・鳥谷敬が残留を決める!2015年01月12日

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【目次】
5位 東北楽天がギャビー・サンチェス選手を獲得! /4位 プレミア12は日本と台湾での共催が決定!
3位 ランディジョンソン、ペドロマルティネスがアメリカ殿堂入り/2位 相川亮二の人的補償は高卒2年目の奥村展征!移籍
1位 阪神・鳥谷敬が残留を決める!

3位 ランディ・ジョンソン、ペドロ・マルティネスがアメリカ殿堂入り 

  1月6日(火)、2015年の殿堂入り選手を発表。ダイヤモンドバックスなどで通算303勝を挙げたランディ・ジョンソン氏、レッドソックスなどで同219勝のペドロ・マルティネス氏など4名が発表された。

ランディ・ジョンソン、ペドロ・マルティネスがアメリカ殿堂入り

 この2人の名前を知っている方も多いだろう。ランディは208センチの長身を生かし、左のスリークォーターから160キロを超える豪速球と多彩な変化球を武器に次々と三振を量産した剛腕。

 だが若い時は、制球力が粗く、1990年~1992年は3年連続で与四球がリーグワースト。1991年にいたっては、201.1回を投げて152四球と1イニングを投げれば、75%の確率で四球を出すほどであった。そんなランディも年々、改良を重ねながら、球威、変化球、制球力ともに抜群な左腕に成長。

 1995年には、18勝2敗、防御率2.48でリーグ最優秀防御率、リーグ最多294奪三振、勝率.900と優秀な数字を収め、初のサイヤング賞を獲得。与四球も、214.1回を投げ、65四球と四球も少なくなった。その後はリーグトップクラスの成績を残し、リーグ最多奪三振9回、最優秀防御率4回。通算303勝はMLB歴代22位、4875奪三振は歴代2位とまさにレジェンドである。ランディは圧倒的な投票数で、殿堂入りに選出。体が大きいと野球は有利といわれるが、ランディほどの長身になると、体の制御が難しい。ランディは試行錯誤を重ねながらも、若い時代の制球難を乗りこえた。本人の努力もあったと思うが、また主脳陣もリーグ最多四球を出しても我慢するほどの許容さがあったのも大きかっただろう。

 ペドロは、1990年~2000年前半にかけて活躍した先発右腕。1999年には23勝、313奪三振、防御率2.07と3タイトルを獲得し、サイヤング賞にも選出。実働18年で、219勝を挙げた。ペドロの特長は、180センチとMLBとしては決して大きくないサイズながらも、150キロを超える剛速球、キレ味鋭い変化球、緻密な制球力と投手としてあらゆる能力をすべて備えていたことだ。日本人投手は180センチ前後が多いだけに、もしMLBで活躍を目指したい若い投手にとっては、大きなモデルになるのではないだろうか。 ぜひこの機会に、2人の偉大な実績を称えてほしい。

<ランディ・ジョンソン氏の球歴>
モントリオール・エクスポズ(1988年-1989年)-シアトル・マリナーズ(1989年-1998年-ヒューストン・アストロズ(1998年)-アリゾナ・ダイヤモンドバックス(1999年-2004年)-ニューヨーク・ヤンキース(2005年-2006年)-アリゾナ・ダイヤモンドバックス(2007年-2008年)-サンフランシスコ・ジャイアンツ(2009年)
<ペドロ・マルティネス氏の球歴>
ロサンゼルス・ドジャース (1992年-1993年)-モントリオール・エクスポズ (1994年-1997年)-ボストン・レッドソックス (1998年-2004年)-ニューヨーク・メッツ (2005年-2008年)-フィラデルフィア・フィリーズ (2009年)

2位 相川亮二の人的補償は高卒2年目の奥村展征!

 1月9日(金)、東京ヤクルトは、巨人に移籍した相川亮二選手の人的補償として、奥村 展征選手を発表した。奥村選手は史上最年少の人的補償選手となった。

相川亮二の人的補償は高卒2年目の奥村展征!

 日本のFAシステムは、人的補償というシステムがある以上、FAで大型選手を獲得した球団も若手のホープを手放すことも覚悟しなければならないと学んだ一件ではないだろうか。歴代の人的補償選手を振り返れば、ベテラン選手、出場機会が少ない中堅選手が中心だ。ベテラン選手を挙げれば、門倉健の人的補償で移籍した工藤公康、豊田清の人的補償で移籍した江藤 智、村田 修一の人的補償で移籍した藤井秀悟など年齢層が高い。つまりプロテクト外でも、即戦力で活躍出来る人材をこれまで選んできたのだ。 

 今回、奥村の人的補償だけをみると、巨人のショックが大きいように感じられるが、戦力均衡の視点から見れば、相川のような実績豊富な捕手が、3年連続リーグ優勝の巨人に移籍していることは、より格差がつながることが考えれる。それを考えると、いずれ一軍での活躍が見込める若手のホープの獲得も、巨人にとって、ダメージになるだろう。戦力均衡を考えると、ヤクルトは良い戦略を取ったといえるだろう。

 巨人の内野手は育成を含めると、全体で17人。25歳以下の二遊間で見ると、辻 東倫、奥村、大累 進の3人。奥村は、昨年、二軍で最多の78試合出場。守備率.974は、チームトップ。打撃も、打率.212、2本塁打と打撃面では及第点を与えられる成績を残しており、3年経て、どの立ち位置まで達するか楽しみな選手であることは間違いない。巨人としては、投手力が薄いヤクルトなため、即戦力で活躍できそうな投手を中心にプロテクトとしたと考えられ、奥村はリストに漏れていた。どのポジションを中心にプロテクトするのか、そのせめぎ合いがファンの視点から見れば面白い。

 奥村は、真中満新監督の強い推薦があったとみられる。真中監督は、去年まで二軍監督を務めており、奥村の実力だけではなく、人間性も高く評価していた。見方を変えれば、若手のの活躍の可能性を広げるチャンスでもあることだ。

 これからは、他球団の若手選手の情報を球団内で共有する必要性が高まったかもしれない。人的補償で、新たなルートを築いたヤクルトの戦略は、球史に残る事例となった。

奥村 展征選手の経歴
日大山形-巨人(2014年)-東京ヤクルト(2015年-)

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プロフィール

河嶋宗一
編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
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  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。

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