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第9回 データで振り返る2014年ペナントレース(2)パ・リーグ編2014年12月11日
データで振り返る2014年ペナントレース(2)パ・リーグ編

【目次】
[1] ソフトバンクの得点力が充実。長打不足に苦しんだ楽天
[2] 優れた投手力を示したオリックス、野手の守備力が高いソフトバンク
[3] 最後に、セ・リーグと同様に攻守両面から各チームを見てみよう
ソフトバンクの得点力が充実。長打不足に苦しんだ楽天
前回のコラムに引き続き、2014年のペナントレースをデータの側面から振り返っていく。今回はパ・リーグ編。最後の最後までもつれた今年のパ・リーグをデータで見るとそれぞれのチームの能力はどうなっていたのだろうか。

攻撃面では得点数でトップのソフトバンクが打率、出塁率でリーグトップ。他の5チームを引き離す数字を出している。ただその中身を見てみると、他のチームと比べてより多くの四球を選んでいる、あるいは長打の割合が大きかったというよりは、とにかく打率が高かったことが大きかったようだ。
一方で得点数でリーグ最下位の楽天は長打不足に苦しんだのが数字にはっきり出ておりISO(長打率−打率)でかなり引き離されている。打率はリーグ3位と決して低くはなく、出塁率でもリーグ4位。出した走者がうまく返せなかった様子が見てとれる。
パークファクターを考慮するとさらにその差は大きく

数字は総合的な得点力を示す指標であるweighted On Base Average(wOBA)を、ホームゲーム、ビジターゲームで別々に算出したものだ。ここから、結果に対する球場など環境の影響がどの程度あったかを捉えておこう。
セ・リーグに比べると差は小さい。ロッテがややビジターゲームで好成績を記録しており、西武がホームで攻撃力を見せていたが、球場の違いが得点創出に決定的な影響を与えていた様子は見られない。
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- DELTA
- 合同会社DELTA
- 2011年設立。スポーツデータ分析を手がける。代表社員の岡田友輔と、協力関係を結ぶセイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。
書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1,2,3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクスマガジン1,2』(DELTA刊)、メールマガジン『Delta's Weekly Report』などの媒体を通じ野球界への提言を行っている。 - 最新刊『セイバーメトリクス・リポート4』を3月27日に発売。