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第6回 ヤンキースが抱えるトレード問題2014年07月22日
「このような形でチームを離れることになり、チームメイト、そしてファンの皆様には大変申し訳なく思っております。球団からの発表の通り、これから数週間のリハビリに入りますが、これも長い野球人生の一部であると受け止めています。選手としてプレーを続けている以上、故障するリスクは常にあります。そういった状況に陥ったとき大切なのは、しっかりと自分の身体と向き合い、一日でも早く復帰できるように努めることだと思います。皆様に元気な姿を見せられるよう頑張ります。」と田中投手が発表したコメントは、こちらアメリカでも話題となった。
その田中投手、自身の決断により今回オールスターへの出場を辞退し、期間中は、トレーニングなどはせずに治療に専念すると7月12日、ヤンキースのジラルディー監督が試合前の囲み取材で明言した。
この田中投手の故障を受けて、監督の田中投手の起用法に対する疑問の声も上がる中、現在ヤンキースの先発投手で開幕から唯一ローテーションを守っている黒田投手への負担が、より一層大きくなることが懸念されている。ヤンキースも31日の期限までに、当初の予定よりもより大幅なプランの変更を迫られていて、緊急補強に向けて、きっとGMも毎日頭を抱えているに違いない。
そんな中、もう一つヤンキースにはアタマの痛い話が浮上した。先月末、ヒューストン・アストロズの球団のサーバーに何者かが不正アクセスし、トレードなどの情報が外部に漏洩したというニュースが発表された。その中には、ヤンキースがシーズン開幕前の3月下旬に、アストロズにイチロー選手のトレードを持ちかけたという話もあった。
その際にヤンキース側はイチロー選手の年俸の一部を負担する予定でもあったということだそうだ。そんな機密情報が外部に漏れてしまったわけだから、ヤンキースにとってはかなり痛い話である。
去年までは、ヤンキースタジアム外に飾ってある選手のバナー写真にイチロー選手が飾られていたのだが、今年シーズン直前にはイチロー選手の写真が取り外され、別の選手の写真に取り替えられていたので、私も違和感を感じていた。シーズンが始まってからヤンキースの広報に今年の選手のバナー写真はいつ取り付けたのかと聞いたら、シーズンが始まる直前の3月下旬だという返答で、ちょうどヤンキースがアストロズにトレードを持ちかけた時期と同じだと思われる。

- 中薗麻衣
- ニューヨーク在住6年目。現在、ニューヨークのTVプロダクションに勤務し、MLBをはじめNBA, NFLなどアメリカンスポーツ取材を2010年より行い、日本向けに、コラム執筆、取材リポート、映像編集、番組コーディネート業等、幅広く活動している。
NHKスポーツニュース番組、「おはよう日本」スポーツコーナーMLBスプリングトレーニング等他多数。週刊ダイヤモンドオンライン「アメリカンスポーツビズの歩き方」コラム執筆、週刊NY生活「MLBコラム」、週刊NY生活TV、テレビ東京「海外いくならこーでね~と!」出演など。
- twitter:@Maia_K_Nakazono
- ニューヨーク在住6年目。現在、ニューヨークのTVプロダクションに勤務し、MLBをはじめNBA, NFLなどアメリカンスポーツ取材を2010年より行い、日本向けに、コラム執筆、取材リポート、映像編集、番組コーディネート業等、幅広く活動している。
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