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第6回 ヤンキースが抱えるトレード問題2014年07月22日

イチロー選手
また開幕直後にファンに配られたカレンダーにも、去年まで掲載されていたイチロー選手のページがなかったので、一体何があったのだろうと思っていた事があったが、このニュースを聞いて、ヤンキースは今シーズン、イチロー選手無しで戦うというプランを本気で考えていたのだということを知ることになった。
もしイチロー選手がアストロズにトレードされていたとしたら、アストロズは イチロー選手がチームにいることでもたらされる恩恵として、グッズの売り上げやチケットの売れ行きのアップ、球団自体の収入アップというものが見込まれただろう。そして、ヤンキースが年俸の半分以上を負担してくれる訳だから、決して悪い話ではなかったはずだ。
2月からフロリダで行われていたスプリングトレーニングの最中も、いつイチローが放出されるのかといった話題はいつもあったが、昨シーズンオフに大型契約を結んだ同じく外野手のジャコビー•エルズベリー選手と、カルロス•ベルトラン選手の怪我と不振があったため、結局キャンプ期間中にはトレードに出されなかった。
トレードはもちろんチームの戦力アップのために行われることが前提だが、有名選手を呼び込む事でチームの収入源となるような、マーケティングの面でもトレード要員をピックアップすることもあるというのが事実でもある。
田中 将大投手は現在6週間の戦線離脱となっているが、今後もし手術に踏み切るとなれば今季のみならず、来季中の復帰も厳しくなるかもしれないという見方もある。
ヤンキースは当初の予定以上に先発陣に生じた大きな穴を埋めるために、豊富な資金力を武器に、またしても大型補強に踏み出すと思われる。ただ、とはいえ獲得出来る選手は限られている。
現時点で噂されているのは、同じア•リーグ東地区、サイ•ヤング賞を受賞したタンパベイ•レイズのデービッド•プライス投手、その他にはフィラデルフィア•フィリーズのコール•ハメルズ、クリフ•リー投手などが挙げられている。が、しかし、このような付け焼き刃的な補強で果たして本当に強いヤンキースを作れるのか、そう疑問に感じているのは私だけではないだろう。
(文・中薗麻衣)

- 中薗麻衣
- ニューヨーク在住6年目。現在、ニューヨークのTVプロダクションに勤務し、MLBをはじめNBA, NFLなどアメリカンスポーツ取材を2010年より行い、日本向けに、コラム執筆、取材リポート、映像編集、番組コーディネート業等、幅広く活動している。
NHKスポーツニュース番組、「おはよう日本」スポーツコーナーMLBスプリングトレーニング等他多数。週刊ダイヤモンドオンライン「アメリカンスポーツビズの歩き方」コラム執筆、週刊NY生活「MLBコラム」、週刊NY生活TV、テレビ東京「海外いくならこーでね~と!」出演など。
- twitter:@Maia_K_Nakazono
- ニューヨーク在住6年目。現在、ニューヨークのTVプロダクションに勤務し、MLBをはじめNBA, NFLなどアメリカンスポーツ取材を2010年より行い、日本向けに、コラム執筆、取材リポート、映像編集、番組コーディネート業等、幅広く活動している。
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