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第11回 黒田博樹投手、日本球界への復帰を決断2015年01月30日

ヤンキース時代の 黒田 博樹投手
元ニューヨーク・ヤンキースのピッチャー、黒田 博樹投手が、日本球界に復帰。復帰先はもちろん古巣広島東洋カープ。そのニュースが昨年末流れ、日本でも大きなニュースとして取り上げられた。
黒田投手は2008年にロサンゼルス・ドジャースに入団して以来、7年間メジャーでプレー。日本人最多記録となる5年連続2桁勝利をおさめ、通算成績79勝79敗、防御率3.45 WHIP1.17という記録を残した。
黒田投手は昨シーズン、ヤンキースでチーム内最年長のピッチャーであるにも関わらず、先発投手が次々と離脱する中、唯一シーズンを通して先発ローテーションを守り199イニングを投げ切った。2011年から毎年コンスタントに200イニング以上を投げ、体のタフさと安定感を信条に投げ続けた黒田投手の持ち味は、どのような状況でもクオリティーピッチングを続けること。
日本人投手として初めてとなる全30球団からの勝利記録まであと一歩及ばず、あとはデトロイト・タイガース1球団残すのみ。もし今年もメジャーに残っていたら、1995年に野茂 英雄さんがメジャーに渡って以来の数々の記録を塗り替えていたと思う。
黒田投手はヤンキース時代、複数年契約でなく単年契約を自ら望んでいた。選手生活の最後は広島に戻ってプレーしたいとよく語ってきたことから、我々は彼の日本復帰が今年なのか来年なのか、いつ来てもおかしくはないと思っていた。そのため、今回の日本復帰のニュースにはさほど驚くことはなかったし、ああその時がとうとう来た、というのが私自身の正直な思いでもある。
ちょうど、ヤンキースのキャプテンで世界中のファンから愛されてきた、デレク・ジーター選手も昨シーズン終了で引退宣言しており、彼のヤンキース本拠地での最終戦でのプレー時も黒田投手が先発登板していた。ファンから熱い声援をうける同い年の同僚、ジーター選手の姿をみて自身の去就について考えたのかもしれない。
その日試合後の囲み取材のなかでも黒田投手は、自身がヤンキースでプレーする中でのジーター選手の存在の大きさを語っていたし、彼の最後の本拠地でのプレーという日に自分がマウンドに立てたことを野球人と幸せなことだと思うとコメントしていた。

- 中薗麻衣
- ニューヨーク在住6年目。現在、ニューヨークのTVプロダクションに勤務し、MLBをはじめNBA, NFLなどアメリカンスポーツ取材を2010年より行い、日本向けに、コラム執筆、取材リポート、映像編集、番組コーディネート業等、幅広く活動している。
NHKスポーツニュース番組、「おはよう日本」スポーツコーナーMLBスプリングトレーニング等他多数。週刊ダイヤモンドオンライン「アメリカンスポーツビズの歩き方」コラム執筆、週刊NY生活「MLBコラム」、週刊NY生活TV、テレビ東京「海外いくならこーでね~と!」出演など。
- twitter:@Maia_K_Nakazono
- ニューヨーク在住6年目。現在、ニューヨークのTVプロダクションに勤務し、MLBをはじめNBA, NFLなどアメリカンスポーツ取材を2010年より行い、日本向けに、コラム執筆、取材リポート、映像編集、番組コーディネート業等、幅広く活動している。
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