第5回 横浜DeNAベイスターズ 井納 翔一投手【前編】「様々なめぐり合わせから掴んだ侍ジャパンのマウンド」2015年08月05日

これまでの井納選手インタビューは以下から
井納 翔一投手インタビュー【前編】「続ければこそ――」(高校野球ドットコム)
井納 翔一投手インタビュー【後編】「考え方一つで視界は変わる」(高校野球ドットコム)
【目次】
[1]緊張する初球
[2]侍ジャパン=日本代表までのサクセスストーリー
2013年に常設化されたSAMURAI JAPAN。これまで3度の招集があり、3つの大会を戦った。全ての大会に召集され、計5度の登板を経験したのが現在好調の横浜DeNAベイスターズの主戦・井納 翔一投手。ルーキーイヤーから日本代表に選ばれ続けている男は、現在の立ち位置をどう考えているのか、そしてどんな経験を得ているのか、直撃した。
緊張する初球

井納 翔一投手(横浜DeNAベイスターズ)
大柄な体格、どこか不敵に見える佇まい。さぞ心臓も強そうだが、マウンドでは緊張するという。
「緊張はすごいしますよ。今はチームの状況もいいし、球団が様々なイベントや取り組みを行い、お客さんをスタジアムに集める努力もしてくれていますから」
2012年ドラフト3位で入団、今年所属3シーズン目を迎える横浜DeNAベイスターズは開幕から“ゼッコーチョー”。セ・パ交流戦前はセ・リーグの首位を走る快進撃を見せる原動力となった。勢いあるチームに比例するように、観客動員も大きく伸び、7月14日には実数発表となった2005年以降、球団史上最速となった昨季を大幅に更新する、42試合目での100万人達成した。その大観衆が見守る中で投げる心境とは。
「お客さんが多くスタジアムに足を運んでくれて、チームとしても意識が高い。そのホームゲームで先発した場合、1球目を投げる時というのは、スタンドにいる方の全員ではないにしろ8~9割の人には見られている可能性が高いですよね、注目しますから。そう考えると、1球目は特に緊張します。加えてどのピッチャーもそうだと思いますが、先頭打者は出したくないもの。初球をボールから入るのも…と考えてしまいます」
「マウンドはブルペンの時とは雰囲気が違う」。だから、プレイボールがコールされる前に一度、マウンド上で初球の入り方をイメージするのだという。それが戦闘モードへのスイッチになる。
侍ジャパン=日本代表までのサクセスストーリー
26歳でプロ入り。2013年は1年目から即戦力として開幕ローテーションに入った。その実力が認められ、同年4月に常設化された新生侍ジャパンのメンバーに抜擢される。
じつは、日本代表とは社会人野球時代から縁があった。NTT東日本時代に都市対抗野球で活躍したことで、第26回BFAアジア選手権に向けた日本代表候補合宿に呼ばれたのだ。
「大会には出ませんでしたが、選考合宿に行きました。初めての経験で、3日という限られた時間ではありましたが、普段は一緒にプレーしない他のチームの選手たちと練習して試合もして。楽しい思いをしながらもやはり大会には出場したいですから、試合形式の練習などでは真剣モードになったり」
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- 井納 翔一 (いのう・しょういち)
- 横浜DeNAベイスターズ
- 経歴:木更津総合高-上武大-NTT東日本-横浜DeNAベイスターズ
- ポジション:投手
- タイプ:右投右打
- 身長体重:188センチ91キロ
- 生年月日:1986年5月1日
- 上記データは掲載時のものとなります。