第10回 【小関順二のドラフト指名予想】北海道日本ハムファイターズ編2014年10月20日

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【目次】
[1] その年のナンバーワン選手を獲りにいく日本ハムは誰を獲りに行くのか
[2] 有原航平に向かう可能性が最も高い

北海道日本ハムファイターズ 今季戦績

 144試合 73勝68敗3分 勝率.518 パ・リーグ3位

その年のナンバーワン選手を獲りにいく日本ハムは誰を獲りに行くのか

 神々の怒りを買ったシーシュポスは刑罰として大きな岩を山の頂に押し上げる仕事を科される。頂にたどり着いた瞬間に大岩はまっさかさまに転がり落ち、シーシュポスは再びその岩を山の頂に押し上げ、岩は頂にたどり着いた瞬間まっさかさまに転がり落ちる~

 ギリシャ神話「シーシュポスの神話」が描く永遠の苦行を、プロ野球界では日本ハムが率先して行っているような気がする。

今年二刀流として活躍した大谷翔平

 一時代を作ったダルビッシュ 有(レンジャーズ)、田中 賢介(ジャイアンツ)、糸井 嘉男(オリックス)がチームを去り、それを予測したかのように中田 翔2009年インタビュー2014年インタビュー)、陽 岱鋼(2013年インタビュー2014年インタビュー)、大谷 翔平をドラフト1位指名で獲得して一流選手として育成するが、いずれ彼らもチームを去るだろう。

 シーシュポスの神話さながらの“果てしない苦行”というのは、自分でもいいたとえだと思う。生え抜きのスター選手が長く在籍しない球団なので成熟とは縁遠いが、常にイキのいい若手中心でチームが構成されるので、ファンは新人から主力に育つまでのサクセスストーリーを共有できる楽しみがある。

 さて、日本ハムのドラフト戦略の最たるものは「その年のナンバーワン選手を獲りにいく」ことだ。過去5年間の1位入札を見ると、そのことがよくわかる。

 09年 1位入札・菊池 雄星→外れ1位・中村 勝
 (菊池選手インタビュー:2010年インタビュー2011年インタビュー2014年インタビュー
 10年 1位入札・斎藤 佑樹→獲得
 11年 1位入札・菅野 智之
インタビュー→拒絶
 12年 1位入札・大谷 翔平→獲得
 13年 1位入札・松井 裕樹→外れ外れ外れ1位・渡邉 諒


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プロフィール

小関 順二
小関 順二
  • 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
  • ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
  • ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
  • ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。 
  • 小関順二公式ブログ

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