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第11回 【小関順二のドラフト指名予想】オリックス・バファローズ編2014年10月21日
【目次】
[1] 高卒選手の抜擢で躍進を見せたオリックス
[2] エース金子のFAにより1位は投手が有力
オリックス・バファローズ 今季戦績
144試合 80勝62敗2分 勝率.563 パ・リーグ2位
高卒選手の抜擢で躍進を見せたオリックス

主軸打者として活躍するT-岡田選手
オリックスのクライマックスシリーズを見て、高校卒が増えたと思った。投手は西 勇輝くらいしか見当たらないが、野手は伊藤 光(捕手)、T―岡田(一塁手)(インタビュー)、坂口 智隆(外野手)、駿太(外野手)と少なくない。
かつては高校生受難の球団と言っていいほど主力は大学卒、社会人出身で占められていた。それが、岡田 彰布前監督時代から徐々に若手抜擢の機運が盛り上がり、さらにダイエー、ロッテで辣腕をふるった瀬戸山 隆三(現球団本部長)氏が13年にフロント入りしてからドラフト戦略が変わり、昨年は3位以下にジャパン代表クラスの野手を3~5位に並べるという指名を展開した。
瀬戸山氏はこの指名を「高校生は3年から5年後の軸になる、そういう可能性を考えて獲ります。その結果ああいうドラフトになってくるんです」と取材で答えてくれた。
投手主体だった指名が昨年は3位以下で野手主体になり、これもオリックスの変化を物語っている。昨年3位以下で指名した高校卒野手がファームで経験した打数は、若月 健矢157、園部 聡(インタビュー)141、吉田 雄人182、奥浪 鏡307――。
独自の指針で選手を育成する日本ハムは、高校卒野手がのちに主力に成長するためには「ファーム1年目に200打数以上記録するくらいの完成度が必要」と考える。4人の中で200打数以上記録したのは奥浪1人だが、141~182は悪くない数字である。

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ
