- トップ
- コラム
- 小関順二のプロ野球ドラフト分析2014
- 【小関順二のドラフト指名予想】福岡ソフトバンクホークス編
第12回 【小関順二のドラフト指名予想】福岡ソフトバンクホークス編2014年10月21日
【目次】
[1] スケールが大きい安樂、高橋がソフトバンクの需要に合う
[2] 九州に目を向けるなら小野、吉田の速球派右腕も注目
福岡ソフトバンクホークス 今季戦績
144試合 78勝60敗6分 勝率.565 パ・リーグ1位
スケールが大きい安樂、高橋がソフトバンクの需要に合う

完成度の高い投球が光る高橋光成(前橋育英)
今季、パ・リーグのペナントレースを1位で通過し、クライマックスシリーズ・ファイナルステージでは日本ハムと死闘を繰り広げ、3年ぶりの日本シリーズ進出を決めたソフトバンク。その戦いを見て補強ポイントは投手と捕手だと思った。
先発は攝津 正(関連コラム)、中田 賢一、大隣 憲司、武田 翔太、スタンリッジ、リリーフ陣は森 唯斗、五十嵐 亮太、サファテの勝利の方程式に岩嵜 翔、森福 允彦と揃うが、期待された東浜 巨、千賀 滉大は故障や力不足で一軍定着ができなかった。
数の少なさが目立ち、CSファイナルステージ第6戦は、難病「黄色靭帯骨化症」の大隣を中4日で起用せざるを得なかったほどだ。そう考えると、筆頭の補強ポイントは投手ということになる。
確かに補強ポイントは投手だが、緊急に即戦力がほしいというほど投手不足が深刻なわけではない。不足しているのは「ダルビッシュ 有、田中 将大(インタビュー)、大谷 翔平のようなスケールを備えた本格派」と言ったほうがいい。となれば、獲得したいのは高校生である。
右ヒジ故障で昨年秋から不調が続く安樂 智大(済美)(インタビュー・関連コラム)、昨年夏の甲子園優勝投手・髙橋 光成(前橋育英)がソフトバンクの需要にぴったり合う。
ストレートが最速157キロを計測する安樂は昨年秋の国際大会、18Uワールドカップでベネズエラ、キューバを完封した本格派で、同大会のベストナインにも選出されている。
その安樂が出場できなかった今年秋の18Uアジア選手権で、森田 駿哉(富山商)に続く9回3分の2を投げ、13三振を奪ったのが高橋だ。ストレートの最速148キロは安樂にくらべると10キロ近く差をつけられているが、指先にまで神経が行き届いているようなリリースの感覚は安樂にはない長所だ。
【次のページ】 九州に目を向けるなら小野、吉田の速球派右腕も注目

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ
