第5回 野村 謙二郎氏が語る「世界野球の奥深さ」(後編) いい社会を作る「日本野球」として2016年02月08日

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【目次】
[1] 6年ぶりのMLBキャンプで気付いたもの
[2] スリランカで思い出した野球への「純粋さ」 / 組織を学ぶための「日本野球」

昨年、第1回を終えた「世界野球2015WBSCプレミア12」を終え、今年は3月5日・6日にナゴヤドームでのチャイニーズ・タイペイとの強化試合。そして2017年の「第4回WBC」での世界一奪回へ向かう侍ジャパントップチーム。毎年のように様々なスタイルの野球や選手たちと戦っている彼らの姿を見ると、改めて世界野球の「奥深さ」を感じずにはいられない。

 そこで広島東洋カープでの17年間で通算2020安打、1995年には打率.315・32本塁打・30盗塁のいわゆる「トリプルスリー」を達成。さらに一昨年までは5年間、広島東洋カープの監督を務め、現在は野球解説者をはじめ多方面で活躍する野村 謙二郎氏に直撃。アマチュア時代に経験した海外経験をもとに、アメリカをはじめとする世界野球とのかかわりを振り返っていただいた前編に続き、後編では2015年に再び訪れたMLBキャンプの話と昨年7月に訪問したスリランカの話を中心に。世界における日本野球の役割は何か?についても語って頂きました。

6年ぶりのMLBキャンプで気付いたもの

野村 謙二郎氏

――2015年はボストン・レッドソックスの臨時コーチとして再びMLBのスプリングキャンプに赴きました。

野村 謙二郎氏(以下、野村) 野球は前編でもお話しましたが、洋服や食べ物、スイーツと一緒で常に変動しています。同じなのは塁間や投手とホームまでの距離くらいです。
5年間、広島東洋カープで監督をやらせて頂いて、その間も外国人選手とかと話をして情報も得ていましたが、レッドソックスに声をかけて頂いたことを機会に現状を見ていくことは、解説にも、自分の野球知識にも活きてくると思って行ってきました。

――今回参加されて気付かれたものはありますか?

野村 今回はチームの作り方に目が行きました。トレードやマネジメントですね。レッドソックスは2013年のワールドチャンピオン以来、昨年も今年も成績が悪いんですが、昨年シーズン途中で補強はあきらめて、今シーズン前にハンリー・ラミレスとかを一気に補強した。「そういう手もあるのか」と感じました。

 システム的には目新しいものはなかったですが、MLBは日本よりもベンチ入りが少ない(8月まで25人登録)ので、ユーティリティプレーヤーの重要性は改めて感じました。僕自身も5年間、複数ポジションを守れる選手を作っていましたし、中東(直己)とかがいるから安心して起用ができた部分はあります。

スリランカで思い出した野球への「純粋さ」

――そして昨年7月にはJICA(国際協力機構)支援事業の一環で、スリランカでの野球教室も行いました。

野村 スリランカは7年前まで内戦をしていて、僕自身もはじめて行く国。ましてや駒澤大3年のときに出場したアジア大会でインドが参加していたのは記憶していますが、スリランカで野球をしているとはこの話を頂くまで知らなかった。
でも、5000人しか野球人口がいない中でも、クリケットと掛け持ちでやっている中でも「なんで野球をやってるの?」と聞くと、「クリケットもおもしろいけど、野球は戦術があるのがおもしろい。より頭を使う」と言ってくれたんです。

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita

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