第7回 【侍ジャパン強化試合】日本vsメキシコ「ハツラツとしたメキシコ打線!侍ジャパン投手陣を攻略!」2016年11月11日

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 11月10日、侍ジャパントップチームは、来年3月に開催される第4回ワールドベースボールクラシックに向けて、メキシコ代表と強化試合を行った。結果は3対7で敗れ、反省材料が残る試合となったが、今回はメキシコ代表の打線の凄さ。そして敗れても侍ジャパントップチームが来年へ向けて収穫に残ったことをレポートしていく。

唯一の見せ場となったのは筒香嘉智の二塁打

筒香 嘉智(横浜DeNAベイスターズ)

 メキシコは9人の投手を次々と繰り出す継投策で日本打線を……封じたと言ってもいいのだろう。初ヒットが出たのは5回だから確かに継投策は効果的だった。しかし、5回までに5人のメキシコ投手陣が与えた四球は7つもあった。ヒット1本で残塁8という内容を見れば、日本攻撃陣の拙攻と言ってもいいのではないか。

 停滞した日本打線にくらべてメキシコ打線は思い切りのいいスイングで中盤以降、点を重ねた。とくに1番ナバーロ、2番ペーニャ、3番キロスはスイングに迷いがなかった。1回表は得点こそ挙げられなかったがナバーロが初球をレフト前に弾き返したあとペーニャが右中間に二塁打を放ち、「メキシコ強し」を印象づけた。

 先発の武田 翔太(ソフトバンク)は最速150キロのストレートにフォークボールを効果的に交えたピッチングで4回投げ6三振の力投を見せるが、少しでもコースが甘くなるとメキシコ打線は見逃してくれない。4回には7番打者に137キロのフォークボールを二塁打され痛恨の2点目を許してしまう。

 実はメキシコ打線がこれほど強力とは思わなかった。試合前のフリーバッティングでは柵越えが数えるほどで、ほとんどの打球はフェンスよりかなり前で失速していた。それが試合になるとスイングが一変、5回には3番キロスが日本チームの2番手、千賀 滉大(ソフトバンク)の148キロストレートを振り抜いて左中間スタンドに放り込んだ。
「メキシコ代表として選ばれたことを非常に光栄に思っているので国を代表して全力でプレーを続けていく」という談話からは、日本人選手には希薄な「国への忠誠心」のようなものが感じられた。6回には9番サスエタがライト前にポテンヒットと送球エラーで2点を加え、このときは「チーム全体のメキシコ代表として戦う意識はとても高く、ベンチの雰囲気もいい」とコメントしている。

 日本人選手で目立ったのは打者では5番筒香 嘉智のバッティングだ。前日のフリーバッティングでは3本の柵越えにとどまったが、キャッチャー寄りのポイントで捉えた打球は強烈なライナーとなりライトスタンドに吸い込まれていった。

 この試合では5回裏、二死一塁の場面で打順が回ってきて、センターフェンス最上部を直撃するあわやホームランという二塁打を放っている。あと数センチでスタンドインという打球で、観客がもっと沸いたシーンだった。

 投手はさすがにレベルが高かった。とくに1、2番手の武田、千賀(ともにソフトバンク)勢は国際試合でも十分に通用するストレートと変化球のキレを備え、最速は武田が150キロ、千賀は154キロ(1球だけ誤表示だと思うが160キロというのが1球だけあった)で、メキシコ投手陣をはるかに上回った。これはWBCに向けて朗報と言っていい。

(文・小関 順二

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プロフィール

小関 順二
小関 順二
  • 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
  • ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
  • ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
  • ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。 
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