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第1回 【比較】侍ジャパンvs 欧州代表 「二遊間の大きな違い」2015年03月19日
【目次】
[1] 二遊間のそれぞれの特徴と考えについて
[2] 侍ジャパンの二遊間は
侍ジャパンの二遊間は?

打球を追う侍ジャパン二塁手・菊池 涼介選手
一方で侍ジャパンの二遊間はどうか。
今宮 健太選手(福岡ソフトバンクホークス・2014年インタビュー)菊池 涼介選手(広島東洋カープ)山田 哲人選手(東京ヤクルトスワローズ)坂本 勇人選手(読売ジャイアンツ・2013年インタビュー)の守備を見ていると、日本人プレーヤーの特徴は、全部の投球、打球に反応を示しているという点が挙げられる。
実はこの「反応」こそ今回の外国人プレーヤーには無い特徴だった。日本でも外国でも一流の選手になればなるほど、打者の打球の特徴や、次に起こり得るプレーが想定している。試合に入る前の練習の段階から、相手選手の特徴を把握するトレーニングを日々行っているからだ。ベンチ前での素振りやトスバッティングでのバットの軌道などを見て、スイングや打球の傾向を頭の中で整理整頓している。
そして試合では想定される傾向に対して準備をした事の答え合わせの場となっている。そして、これらの準備を、試合時間(約3時間)をフルに集中して出来るのが日本人プレイヤーだ。この「反応」があるからこそ投球や打球に対応できるのだろう。
だからこそ、短期決戦(トーナメント)のような試合での守備のミスは圧倒的に少ないと言える。日本の学生野球(小中高)はトーナメント戦が多いので、試合時間フルに集中できるために準備を行う。この点はプロに学ぶべきではないだろうか。
その他にも侍ジャパンの二遊間ではコミュニケーションを多く取っている。日頃、違うチームで戦うメンバーが集められるからこそ、相手のことをもっと知ろうという姿勢が見える。
話をすること、伝えること、確認することが多いということは、それだけ個々が持っている知識の量が多いということだ。
今回は、日本と欧州選抜との「二遊間の違い」について考察を行った。
それぞれの特徴を「キャッチボール」「ノック・実戦の守備」に分けて考えた時に、
「キャッチボール」…欧州の選手は各々の選手がより実践に近い(起こり得る)投げ方を考えて投げている
「ノック・実戦の守備」…美しい捕球体勢を意識する日本に対し、いかに投げやすい体勢で捕球することを心がけていた欧州
これら以外には、日本の選手は、全部の投球、打球に「反応」を示せている部分に違いがあったと言える。
欧州選抜との試合を経験することによって、今までは当たり前のように思っていたプレーについて、じっくりと考える機会となった。国際大会が増えるにつれて、これまで日本野球の常識も、国によって大きな違いがあることも気付くことができる。侍ジャパンが世界一を掴むために、各国の野球事情を理解しておくのは、重要なことといえるだろう。
(文・南乃 啓之介)
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