第149回 【第47回明治神宮大会】上武大vs富士大 「上武大、阪神ドラフト2位の小野から1点をもぎとり完封勝利」2016年11月11日

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上武大、阪神ドラフト2位の小野から1点をもぎとり完封勝利

  猛者揃いの関東5大学連盟を勝ち抜いた上武大と阪神2位の小野 泰己擁する富士大の対決は1点を争う投手戦となった。
 小野の立ち上がりは抜群だった。右オーバーから繰り出すストレートは常時145キロを計測。伸びあがるような速球は非常に勢いがあり、まさにドラフト上位指名されたのも納得といえるストレートであった。そしてストレート以上に厄介なのがフスプリットだ。130キロ台中盤を計測する子のスプリットは非常に落差がある。ストレート、スプリットのコンビネーションが勝り、巧打者揃いの上武大打線も捉えれることに苦労した。

 そして一方、上武大の山下仁も好投。右オーバーから繰り出すストレートは常時135キロ~144キロ。経験豊富な投手だが、ここにきてストレートの球速・球威・コマンド能力の成長が著しい。さらにスライダー、カーブ、チェンジアップを器用に投げ分け、甘い球が全くなく、富士大が打ち崩せるボールはなかった。

  2人の投手戦で進んでいったが、5回裏、上武大はランナー二塁から吉田 高彰の適時打で1点を先制。この1点で十分だった。上武大の山下はストレートと変化球のコントロールが終盤でもさえ、富士大打線を13奪三振完封勝利を挙げた。

 1点を取られた富士大の小野は、「ランナーになってから粘り強く投げることをテーマに投げていたのですが、それが決勝点になるのは、まだ自分の実力不足です」と悔やんだ。

 それでも気温が低い中、粘り強い投球を見せた小野の力投は見事だった。やはり上武大は勝負所を知っている選手が多い。今年も優勝を狙えるチームとして浮上してくるのは間違いない。

(文・河嶋 宗一


1 2 3 4 5 6 7 8 9
富士大0000000000
上武大00001000×1

富士大:小野、西村-宗接
上武大:山下-吉田

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