第1回 カリブ海に浮かぶ島・プエルトリコの驚きの野球事情2015年06月16日

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プエルトリコの野球事情

【目次】
[1]プエルトリコと野球の関わり
[2]プエルトリコの驚きの野球事情
[3]カリブ野球の洗礼

 パキスタン代表監督でもあり、今年4月までイランの代表監督も務めていた色川冬馬氏。かつて、自身もプエルトリコでプレーしていたこともあり、そのつながりで、現在は、東北の13歳以下の子どもたちをプエルトリコで行われる「ラテンアメリカ野球選手権」に出場する機会を生み出す活動も行っています。今回は、そんな色川さんから、プエルトリコの野球事情について教えて頂きました!

プエルトリコと野球の関わり

カリブ海に浮かぶ島・プエルトリコ

 カリブ海に浮かぶ常夏の島、プエルトリコ。国土面積は四国の約半分であるが、野球熱で言えば世界でも指折りの野球大国であることは、前回のWBCで日本を撃破したことで証明されているであろう。
一般にはあまり知られていないが、この国はアメリカ合衆国の自治区であり、正式には独立した国ではないということも興味深い。

 それでも、野球に対する情熱が、政治的利害関係を忘れさせるほど、野球に熱い「国」として捉えて読みすすめていただきたい。また、日本人にとってプエルトリコは、アメリカ合衆国と同様の手続きで行ける渡航しやすい国であることも心に留めておいて欲しい。
野球に関しては、日本のNPB選手も派遣されているプエルトリコウィンターリーグで有名な国だが、一年を通してプロ野球リーグが運営され、この島国独自の運営・育成方法があることを紹介していきたい。

 プエルトリコには、ウィンターリーグの他に、ダブルエーとトリプルエーというプロリーグが2つ存在し、それに加えてクラスエーというアマチュアリーグが存在している。


プエルトリコのプロリーグとアマチュアリーグ

 名前だけ聞くとかなりややこしく、MLB機構傘下を連想してしまうが、このリーグはどれも独立しており、街と企業が一体となり運営されている。プロ野球リーグ運営の時期は、ウィンターリーグが11月~2月、ダブルエーは、2月中旬~7月(レギュラーシーズン)、トリプルエーは、8月~12月に行われている。そして、クラスエーは4月から大体11月まで行われる。各リーグ気候の影響で、予定通りスケジュールをこなせない時期が多いのも島国ならではかもしれない。

 以上のように、各リーグのプレーオフ等を合わせるとリーグ開催期間が重なる月もあり、あちこちで野球の試合が行われているのがプエルトリコ野球なのだ。

 今回は、実際に私が関わったダブルエーリーグ(プロ)とクラスエーリーグ(アマチュア)について紹介していきたい。
プエルトリコ野球の夏を象徴するダブルエーリーグは、毎年チーム数に変動がありながらも2014年度は48ものチームが活動していた。そこから4つのディビジョンに分かれ、6チームずつが所属し、ホーム&アウェイで2試合ずつ行われる。各チームレギュラーシーズン約20試合を戦い、トップチームがポストシーズンに進む。ポストシーズンは、レギュラーシーズンの成績により、1位~4位までの順位がつけられ、1位は4位と、2位は3位と戦いチャンピオンを決めるという構図だ。

 海外の野球といえば、アメリカ野球を連想する方には、レギュラーシーズン5ヶ月で20試合しかしない事に物足りなさや驚きを感じているのではないだろうか。

 しかし、この四国の半分サイズの島で、毎週48チームが各地で試合を繰り広げることは、現実的に難しいのだ。また、プロ野球選手とはいえ、ほとんどの選手が普段は学生や社会人であるプエルトリコでは、それぞれの選手が他にも仕事を持っているため、スケジュールを組むことも難しい。プロ野球選手として契約をし、給料を受け取っているが、給与の計算は1試合いくらという計算をしている。大体1試合あたり50ドル~300ドルというのが相場であるため、やはり野球だけを本業として生活していくことは難しい。

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