第1回 【六大学野球春季リーグ総括】 法政大、創部100年目を迎えた春の戦い2015年06月22日
劇的な幕切れで開幕カード2連勝!

開幕投手に抜擢されたルーキー森田 駿哉郎投手(法政大)
創部100周年という大きな節目を迎えた今季の法政大。昨季まで実に3季連続5位という歴史的低迷を味わい、新監督に昨年助監督を務めた青木 久典監督を迎え臨んだ今春は、4季ぶりのAクラスとなる2位で締めくくった。
新生・HOSEIの船出となる開幕戦。その試合前、神宮に衝撃が走った。開幕投手は、森田 駿哉(1年)。青木監督は捕手に中村 浩人(1年)、1番に原田 寛樹(1年)を起用し、開幕スタメンにルーキーを3人起用するという大胆な采配を振るった。対するは横尾 俊建(慶應大・4年)、谷田 成吾(慶應大・4年)らを擁する強打の慶應大。森田との対戦に大きな注目が集まった。森田は初回から満塁のピンチを迎えるも無失点で切り抜けると、圧巻の奪三振ショーがスタート。4者連続を含む毎回の10奪三振で、6回を無失点にまとめる好投。先発の加藤 拓也(慶應大・4年)との熱のこもった投手戦を演じる。
しかし、少ない好機をものにしたのは法政大だった。4回に中村が右前適時打で均衡を破ると、7回からは大型サイド右腕の川名 健太郎(4年)が3回をパーフェクトに抑える好救援で虎の子の1点を守りきり、開幕戦を勝利で飾った。2回戦(試合レポート)は最終回に2点を追う苦しい展開となるも、満塁のチャンスを作ると柴田 圭輝(3年)のリーグ戦初安打となる一打に相手失策が重なり、一挙に3者が生還。劇的な逆転劇で開幕カードを2連勝で終え、これ以上ないスタートを切った。
第2週の立大戦は、苦しみながらも3回戦(試合レポート)で立教大エースの澤田 圭佑(立教大・3年)を攻略し勝ち点奪取に成功。勢いに乗った状態でライバル・明治大との対戦に挑んだ。1回戦(試合レポート)、互いに点を奪い合い、試合は同点のまま9回へ。プロ併用日の規定により延長戦がないため、引き分け目前かと思われた9回裏、今季初スタメンに起用された皆川 普(4年)が無死一、二塁の場面で打席に向かう。犠打も考えられる場面だったが、指揮官の問いに対し、皆川の出した答えは「打ちます」。上原 健太(明治大・4年)の投じた直球に詰まりながらも、強い執念が乗り移った打球は左前で弾むサヨナラ打となった。この勝利でさらに波に乗ったチームは、翌日も両チーム合計31安打が飛び交う乱打戦(試合レポート)を制し、明治大からは12年秋以来となる勝ち点をもぎ取った。