第12回 もうすぐMLBもキャンプイン!2016年の10大ストーリーを振り返る!2017年02月04日

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【目次】
[1]“アメリカズチーム”カブスが悲願達成
[2]インディアンス、躍進のシーズン / リリーフ投手の時代
[3]ビッグパピー引退 / フェルナンデス事故死

 「シーズン中にこんな使い方をしたらリリーフ陣は10日で消耗してしまう。ただ、プレーオフの時期はアドレナリンが湧き出るし、移動日も多い。私たちは型にハマらない起用法が必要なんだ」
フランコーナがそう振り返った通り、特にインディアンスは一部の信頼できる投手たちを重点的に起用する作戦が奏功したと言って良い。

 揃って成功者の真似をすることから、“コピーキャットリーグ”などと呼ばれるMLB。一部のチームの今季の成功の後で、来季の勝負どころ、そしてプレーオフの期間中は、抑えの切り札を複数イニングに渡ってフル回転させるチームが増えるかもしれない。

 今オフ中にも、ジャイアンツがマーク・メランサンと5年6200万ドル、チャップマンはヤンキースと5年8600万ドル(クローザーの史上最高額)、ケイリー・ジャンセンは古巣ドジャースと5年8000万ドルで契約。強豪チームがリリーフ投手に次々と高額契約を与えている。これらの動きは、現代におけるブルペンの重要度を改めて証明しているのだろう。

ビッグパピー引退

デビッド・オルティス(元レッドソックス)

 “ビッグパピ”の愛称で親しまれたレッドソックスのスーパースター、デビッド・オルティスが2016年限りで現役生活に幕を下ろした。
2015年11月の時点で“あと1年で引退”と発表して臨んだシーズン。40歳になったオルティスは、打率315、38本塁打、127打点と衰えを知らない打棒を披露した。“パピ”を中軸に据えたチームもシーズン93勝を挙げ、2013年以来の地区優勝。これだけやれるなら、“引退撤回、現役続行を”と望む声が出てきたとしても当然だろう。

 しかし、近年は膝の痛みに悩まされてきたというオルティスは、公言通りにバットを置く模様だ。キャリア通算541本塁打を放ち、レッドソックスの3度の世界一に大きく貢献。10度のオールスター選出を果たし、ドミニカ共和国のみならず、ラテン系選手の顔役として君臨してきた。

 何より、稀代のクラッチヒッターとして、最も熱かった頃のヤンキースとレッドソックスのライバル関係を盛り上げた立役者としても印象深い。 指名打者が専門ながら、将来的には殿堂入りを果たす可能性も高い。晴れの殿堂入りセレモニーは、ボストン、ラテン各国、そして世界中のベースボールファンが祝福を捧げる一大セレブレーションになることだろう。

フェルナンデス事故死

 ドラマチックでハッピーな出来事が多かったMLBを、2016シーズン終盤に悲劇的なニュースが襲った。9月25日、マーリンズのエース、ホゼ・フェルナンデスがマイアミビーチ付近のボート事故で死去。突然の訃報に、球界全体が悲しみに包まれた。
抜群の才能に恵まれたフェルナンデスは、昨季も16勝、防御率2.86、253奪三振と活躍。明るい性格、チャーミングなキャラクターでも知られ、キューバ出身の24歳の行く手には洋々の前途が広がっているように思えた。

 しかし、すべては一夜にして霧散する。フェルナンデスの体内からコカインとアルコールが検出されたこと、ガールフレンドが子供を身ごもっていたことなど、後に漏れてきたエピソードが悲劇の悲しみを余計に煽った。
事件がマイアミに与えた衝撃は大きく、同時に看板スターを失ったマーリンズのダメージも計り知れない。今オフからまたチーム作りをやり直し。エースの代わりなど簡単に見つかるものではなく、今後しばらくマーリンズの優勝争いは難しくなったのは間違いない。

 後編では、イチロー選手の3000安打や、名選手の引退、大型選手の移籍事情について迫っていきます。

(文=杉浦 大介

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プロフィール

杉浦大介
杉浦 大介
  • ■ 東京都生まれ。
  • ■ 日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はMLB、NBA、ボクシングなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『スポーツナビ』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは (http://twitter.com/daisukesugiura

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