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第13回 いよいよMLBキャンプイン!2016シーズンを振り返る【後編】イチローが3000安打達成!そしてA・ロッドが引退」2017年02月13日

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【目次】
[1]イチロー3000本安打
[2]グリフィー史上最高の得票率で殿堂入り / ヤンキースがトレード期限に売り手に廻る
[3]A・ロッドがシーズン中に引退 / レッドソックスが左腕セールを獲得してパワーハウスに

グリフィー史上最高の得票率で殿堂入り

 2016年1月6日、元スーパースターのケン・グリフィー・ジュニアが資格獲得1年目で名誉の殿堂入りを果たしたことが発表された。得票率は史上最高の99.3%。通算630本塁打を放った通称“ジュニア”は、ドラフト全体1位指名された選手としては史上初めての殿堂入りプレーヤーになった。

「驚くべきニュースはバリー・ボンズから、素晴らしいニュースはグリフィー・ジュニアからもたらされる」
同世代を生きた2人のビッグスターは、かつてそんな風に並び立てられたことがあった。本塁打王4度、MVP1度というグリフィーの成績は、ボンズに比べると見劣りするかもしれない。しかし、爽やかな笑顔の5ツールプレーヤーが、誰からも愛される正真正銘のスーパースターだったことに疑いの余地はない。

 何より、“ステロイドの時代”と呼ばれる薬物全盛の時代に生きながら、PEDのスキャンダルとは無縁だった。彼が薬物を手にしていたら、私たちはそのパフォーマンスをもっと長く楽しめたのかもしれない。しかし、そうしなかったがゆえに、ベースボールを愛するものは、誰もが笑顔を浮かべて“ジュニア”のキャリアを振り返れるのである。

ヤンキースがトレード期限に売り手に廻る

 昨年8月1日のMLBトレード期限を前に、ヤンキースは105マイルの速球を投げるアロルディス・チャップマン、昨季も球宴に選ばれたリリーフ左腕アンドリュー・ミラー、22本塁打を放っていたカルロス・ベルトラン、7勝を挙げていたイバン・ノバといった主力を次々と放出した。早々と優勝をあきらめ、“チーム解体”と呼んでも大げさではない大掛かりなファイヤーセールを敢行。見返りに多くの若手プロスペクトを獲得し、実にこのチームらしくない方法で将来に備え始めたのである。

 ヤンキースが売り手にまわる姿を目の当たりにして、寂しさを感じたファンもいるだろう。かつて、シーズン中の積極的な補強はこのチームの専売特許だった。しかし、近年は戦力均衡化の方向に進むMLBでは、大物FA選手より、将来有望なプロスペクトの存在が重要視されるようになった。
ヤンキースのような金満チームのアドバンテージは目減りしてしまった。結果として、過去4年間で3度もプレーオフ逸。そんな状況を見据えて、プライドを捨て、明るい未来に動いたことは評価されて良い。

 新体制に移行して以降、一部のヤングスターたちが将来を楽しみにさせるに十分な活躍を見せた。8月からレギュラー起用され始めた24歳のゲイリー・サンチェスは、最初の23試合で11本塁打、51試合で20本塁打と驚異的な大爆発。弱冠19歳のグレイバー・トーレスもアリゾナ秋季リーグで打率.403、出塁率.513、OPS.1.158(すべてリーグ1位)を打ち、弱冠19歳ながらMVPを獲得した。今後、これらの若手を上手に育てながら、長期視野で勝てるチームを作り上げていくのが大目標になる。

 激動だった2016年のトレード期限———。常に全力で優勝を目指すことに慣れたヤンキースにとって、屈辱的な時間だったとも言えたのかもしれない。しかし、いつか強さを取り返したとき、“あれが復活への第1歩だった”と振り返られることになる可能性も十分ある。その方向に進んでいけるかどうか、2017年も“常勝チームの再建”に注目が集まる。

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プロフィール

杉浦大介
杉浦 大介
  • ■ 東京都生まれ。
  • ■ 日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はMLB、NBA、ボクシングなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『スポーツナビ』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは (http://twitter.com/daisukesugiura

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