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- 【小関順二のドラフト指名予想】オリックス・バファローズ編
第4回 【小関順二のドラフト指名予想】オリックス・バファローズ編2015年10月09日
【目次】
[1] 例年、一本釣りを狙うのがオリックスのスタイルだが...
[2] 最も必要なのはリリーフタイプ 高校生野手の上位指名の可能性あり
オリックス・バファローズ 今季戦績
143試合 61勝80敗 2分け 勝率.433 パ・リーグ5位
例年、一本釣りを狙うのがオリックスのスタイルだが...

去年単独1位の山崎 福也投手(明治大)
優勝候補と言われながら開幕直後から負けが続き、森脇 浩司監督は休養したのち辞任に追い込まれてしまった。前年チームを牽引したリリーフ陣、佐藤 達也、平野 佳寿、比嘉 幹貴、岸田 護、馬原 孝浩が不調、あるいは故障で機能せず、エース金子 千尋(2015年インタビュー)は右ヒジ故障で出遅れ、9月初旬には右肩に違和感を覚え、登録を抹消されている。これほど選手の不調や故障が続けば優勝争いなど不可能。また来季年齢は佐藤30歳、平野32歳、金子33歳、比嘉34歳、岸田、馬原35歳(退団)と軒並み高いので、今年のドラフトは即戦力狙いが予想される。
統一ドラフトになった08年以降の指名で目立った傾向はあるだろうか。まず注目できるのは、競合なしの一本釣りが目立つこと。08年甲斐 拓哉(東海大三・投手)、09年古川 秀一(日本文理大・投手)、13年吉田 一将(JR東日本・投手・2013年インタビュー)、14年山崎 福也(明大・投手・2014年インタビュー【前編】 【後編】)はいずれも競合なしの単独指名だった。
競合したのは10年大石 達也(早大・投手)、高橋 周平(東海大甲府・遊撃手・2012年インタビュー)、藤浪 晋太郎(大阪桐蔭・投手)と前評判の高い選手ばかりで、今年は大石、藤浪のようなスーパー級の人気選手がいない。つまり、一本釣りの環境は整っている。
もう少しオリックス投手陣を分析すると、生え抜きの高校卒が佐野 皓大、齋藤 綱記、西 勇輝(2015年インタビュー)、山田 修義、塚原 頌平、鈴木 優の6人しかいない。ソフトバンク、楽天の9人、西武、ロッテの8人を下回り、日本ハムと並ぶリーグ最少である。日本ハムと並んでいると言ってもオリックスは全員3位以下の指名で、中村 勝、吉川 光夫、大谷 翔平(関連記事)を1位で指名し、全員ローテーション投手に育て上げている日本ハムとは内容に大きな違いがある。これらのことから1位候補には次に挙げる大学生、社会人たちが考えられる。
井口 和明(東京農業大北海道オホーツク)、多和田 真三郎(富士大・2013年インタビュー)、佐藤 優(東北福祉大)、熊原 健人(仙台大)、上原 健太(明大)、今永 昇太(駒澤大・2014年インタビュー)、原 樹理(東洋大)、西村 天裕(帝京大)、岡田 明丈(大阪商業大)、石橋 良太(Honda)、近藤 均(王子)、上杉 芳貴(トヨタ自動車)、角屋 龍太(ジェイプロジェクト)、近藤 大亮(パナソニック)、浜崎 浩大(NTT西日本)、奥村 政稔(三菱重工長崎)
この中で一本釣りが期待できる1位候補は誰なのか――私は今永以外の全員がその候補だと思う。今永にしても左肩の不調で春のリーグ戦に登板していないので、複数球団の入札があるとは限らない。つまり入札1位候補が少ない。それは全球団が手探りで1位入札を誰にするか決めかねているということで、そういう環境で一本釣りを狙うのは難しい。
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- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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