第5回 【小関順二のドラフト指名予想】広島東洋カープ編2015年10月10日

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【目次】
[1] リリーフ陣の層の薄さが最後まで響く形に
[2] 上原 健太の1位指名か?また2位以降はどんな高校生野手を指名するか?

上原 健太の1位指名か?また2位以降はどんな高校生野手を指名するか?

上原 健太(明治大)

 ところが広島スカウト陣の照準はここには合っていない。明治大の上原 健太が1位入札の最有力候補なのだ。
190センチの大型左腕でストレートの最速は151キロ。真上から投げ下ろすオーバーハンドはストレートだけでなく縦変化のスライダーのキレもプロレベルだが、4年になってからのピッチングに物足りなさがある。

 秋のリーグ戦の立大との第3戦ではリリーフして打者2人を打ち取っていて、このとき投げたストレートの最速が145キロ。これが物足りないというのではない。久しぶりの145キロがよかったという話である。徐々に復調気配があるが、肩、ヒジを壊したという話は聞いたことがない。ただ調子が上がらないだけで、春以降ずっとこんな調子である。

  この上原を1位で入札すれば高い確率で単独指名になり、先に挙げた他の大学、社会人のうち有力候補の6、7人は獲得できないだろう。残っている可能性があるのは井口、佐藤 優、原、西村、上杉、浜崎、奥村あたりで、石橋、近藤大、角屋は微妙である。もし2、3位で残っていたら迷わず指名したい。

 定評のある高校生の指名はどうだろう。
先日、私と苑田 聡彦・スカウト統括部長が隣り合っている席にソフトバンクの永山 勝・アマスカウトチーフが通りがかり、こんな話をしていた。
「広島さんはさすがですよ」から始まった話で、ソフトバンクは広島が2012年に2位指名した鈴木 誠也二松学舎大附・投手→打者転向)について、入札した東浜 巨(亜大)を抽選で逃した場合、外れ1位で指名するつもりだったと言うのである。

 当時、私は3、4位くらいの指名と予想していたが1、2位はまったく考えていなかった。ソフトバンクと広島の攻防を思わぬところで目の当たりにして少し昂奮した。
鈴木は高校卒3年目の今季、90試合に出場して189打数55安打、5本塁打、24打点、打率.291で素質開花を目前にしている。江藤 智、前田 智徳など無名に近い高校生を一流打者に育て上げてきた広島の面目躍如と言っていい例である。

 この鈴木指名の再現はないだろうか。

 1位上原はかなり堅そうなので、高校生野手の指名があるとすれば2位以下。1位候補の平沢 大河仙台育英・遊撃手・2015年インタビュー)、オコエ 瑠偉関東一・外野手・2015年インタビュー【前編】 【後編】)の指名は難しそうだ。ポジションではプレミア12のジャパン代表候補、会沢 翼こそいるが捕手が全体的に手薄。緊急に必要ではないが将来は見据えたい――ということで高校生捕手の柘植 世那健大高崎)、堀内 謙伍静岡)に注目した。

 即戦力候補まで対象を広げれば、坂本 誠志郎(明治大)、宇佐見 真吾(城西国際大)、辻野 雄大(白鴎大)の大学生、木下 拓哉(トヨタ自動車)、船越 涼太(王子)、戸柱 恭孝(NTT西日本)の社会人もターゲットとなりそうだ。

(文・小関 順二

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プロフィール

小関 順二
小関 順二
  • 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
  • ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
  • ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
  • ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。 
  • 小関順二公式ブログ

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