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第7回 【小関順二のドラフト指名予想】阪神タイガース編2015年10月12日
【目次】
[1] FA、トレードでチーム構成をしてきた阪神タイガース
[2] 野手の補強が緊急か
阪神タイガース 今季戦績
143試合 70勝71敗 2分け 勝率.496 セ・リーグ3位
FA、トレードでチーム構成をしてきた阪神タイガース

過去15年で最も大当たりの気配がある藤浪 晋太郎(阪神タイガース)
12球団で最も実りの少ないドラフトを展開しているのが阪神だ。2000年まで遡っても、一軍の戦力になった選手は次の10人だけ。
赤星 憲広(00年4位)、藤本 敦士(00年7位)、安藤 優也(01年自由枠)、江草 仁貴(02年自由枠)、久保田 智之(02年5巡)、鳥谷 敬(03年自由枠・2014年インタビュー【前編】【後編】)、能見 篤史(04年自由枠)、岩田 稔(05年希望枠)、渡辺 亮(05年大社ドラフト4巡)、藤浪 晋太郎(12年1位)
同じように「資力にものをいわせて」と批判されることの多い巨人は、阿部 慎之助(00年1位・2009年インタビュー)、林 昌範(01年7位)、木佐貫 洋(02年自由枠)、久保 裕也(02年自由枠)、内海 哲也(03年自由枠)、西村 健太朗(03年2巡・2010年インタビュー)、亀井 義行(04年4巡)、越智 大祐(05年大社ドラフト4巡)、山口 鉄也(05年育成ドラフト1巡)、坂本 勇人(06年高校生ドラフト1巡・2013年インタビュー)、松本 哲也(06年育成ドラフト3巡)、長野 久義(09年1位・2013年インタビュー)、沢村 拓一(10年1位)、菅野 智之(12年1位・2014年インタビュー)が戦力になり、大田 泰示(08年1位・2010年インタビュー【前編】【後編】)、橋本 到(08年4位)、宮國 椋丞(10年2位)、高木 京介(11年4位)、小林 誠司(13年1位)、岡本 和真(14年1位)、高木 勇人(14年3位)も控えている。数もさることながら、1人1人のスケールの違いは歴然である。
阪神はドラフトで実りが少ない分、FA制度を活用して他球団の主力選手を獲ることが多い。
長くチームの主力を務めた金本 知憲(03年広島)、下柳 剛(03年日本ハム)、新井 貴浩(08年広島)、平野 恵一(08年オリックス)、久保 康友(09年ロッテ)、城島 健司(10年マリナーズ)、小林 宏(11年ロッテ)、藤井 彰人(11年楽天)、福留 孝介(13年ヤンキース)、西岡 剛(13年ツインズ・2013年インタビュー)、日高 剛(13年オリックス)、鶴岡 一成(14年DeNA)の顔ぶれを見れば、FAを含むトレード戦略がいかに重要だったかわかる。
星野 仙一監督の就任もあって強さを取り戻したと言われる02年から昨年までの13年間でリーグ優勝は2回。
Aクラス8回、Bクラス5回は、87〜01年までの15年間でAクラスが1回しかなかった暗黒時代を知る者にとっては大きな飛躍だが、投下した資金に対して優勝2回ではコストパフォーマンスという点で疑問点が残る。ドラフト軽視のツケが回ってきたと言っていい。
1位入札の抽選で負けたクジ運の悪さはともかく(08年以降、2勝8敗)、1、2位の上位で獲った選手が速球派でもなく技巧派でもなく、というどっちつかずのタイプが多い。
また7年間の上位14人の出自は高校5人、大学6人、社会人3人、つまり「将来性5:即戦力9」という比率。藤浪ドラフトの12年以降、高校生を上位に1人入れる戦略が救いだが、即戦力狙いはもう少し軽めにしたい。

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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